[J1リーグ29節]C大阪0−1G大阪/10月6日(土)/ヤンマー

 そこに背番号8の姿はなかった。7日に行なわれた大阪ダービー。順位で上を行くセレッソ大阪は、同じ街を本拠とするライバルクラブを今回こそ叩こうと気概に満ちていた。だが、ホームにも関わらず内容でもガンバ大阪に上回られ、0−1の完敗を喫した。
 
「本当に、申し上げる話がない。多くの方に足を運んでもらったのに、情けない姿を見せてしまったと思っています。今日の結果は衝撃的で、今は頭の整理がうまくつかないですけど……。選手は諦めずに頑張ってくれましたし、何か、変化が必要なのではないかと思っています」
 
 試合後の記者会見。ユン・ジョンファン監督の言葉は、いつにも増して力がなかった。それもそうだろう。現役時代もC大阪で過ごし、大阪ダービーの重みは理解している。4月にアウェーで対戦した際には、直近のACL広州恒大戦にほぼサブ組で臨み、G大阪戦に主力組を投入したほどだった。必勝を期して挑んだはずの一戦。指揮官は、柿谷曜一朗をスタメンのみならず、ベンチにも入れなかった。
 
 杉本健勇が右肩を脱臼して離脱しており、ヤン・ドンヒョンも外国人枠の関係で使うことはできない。FW陣が手薄となっている状況で、この日の1トップに据えられたのが山村和也だった。前日の練習で左手甲を痛めた中での強行先発で、立ち上がりこそ起点となっていたものの、徐々に存在感はなくなっていき、終わってみればシュートは0本だった。71分からピッチに投入されたのが、今季初出場の澤上竜二。前線で効果的に幅広く動いていたが、本来、求められるゴール前での仕事はできなかった。澤上もシュートを打てないまま試合終了。インパクトを残せなかった。
 
 松田陸の負傷で14分から高木俊幸を起用したことから、流れを変えられる切り札的な選手はベンチにいなくなった。ここに柿谷がいれば――。そう思ったC大阪サポーターは多かっただろう。
 
 なぜ、柿谷はメンバーに入れなかったのか。確かに、週始めは体調不良もあって練習を途中で抜けることもあった。だが、試合前日の練習ではフルメニューを消化。コンディションは問題なかったようで、トレーニング後には山村が負傷したことを問われて「みんな良い準備をしているし、怪我っていうのはどれだけ良い準備をしていてもなるもんなんで。まあ……。(チームは)正念場かな」と話していた。ピッチに立てる状態にはあった。
 
 それでもベンチに入らなかったということは、コンディションで多少のマイナスがあったとはいえ、現時点ではユン・ジョンファン監督の中で柿谷の序列が低いと言わざるを得ないだろう。実際に、今季初めて1トップで起用された9月14日の磐田戦で不発に終わると、続く同22日の湘南戦ではメンバーから外れていた。
 
 4歳からC大阪の育成組織で育ってきただけに、誰よりも大阪ダービーに出場したかったはずだ。一方、声援を送り続けるサポーターにとっても、クラブのエースナンバーである背番号8がダービーのピッチにいないことは、寂しさ以外の何ものでもなかった。