有力なJ1昇格候補と目されていた横浜FCが中位をさまよっている。その大きな原因が攻撃の核であるイバとレアンドロ・ドミンゲスの不振だ。12節終了時点で、昨季17得点のイバが3得点(うちPKによる得点が2で、流れのなかでのゴールはわずか1)、同11得点のL・ドミンゲスにいたってはノーゴール。さすがにこれでは勝ち続けることは難しい。
 
 タヴァレス監督は「(今年で)34歳になるイバ、36歳になるレアンドロは、さすがにかつてのようにプレーすることはできない」と、ふたりのアタッカーが年齢的にピークをすぎたことを認める。さらに今季開幕前に、彼らふたりの代わりとなるアタッカーの補強を求めたが、叶わなかったことをほのめかした。
 
 一方で、「ただそれでもふたりのプレーの質は高く、今オフに補強した選手のなかでは特に前線でのボール運びにおいて勝る者はなく、ふたりを超える選手がいないというのが現状だ」とした。さらにもう一点、「レアンドロは技術面では依然としてチームトップの選手。しかし彼ひとりでは試合はできず、彼とのコンビネーションが重要になるが、連係に長けた野村や永田といった選手がチームを去り、田所もまだ怪我の最中という状況で、北爪との右サイドの崩しも北爪がまだ本調子でない点などに難しさがある」と述べた。

 当の北爪は、「彼らを助けられていない周りの問題。ふたりのコンディションが悪いとも思わない」と語る。ともに苦しんでいるチームメイトにかける言葉としては当然だろう。しかしながら「セットプレーが決まってほしいです。相手チームにとって去年ほどの怖さがないのは確かだと言わざるを得ないので」とも残した。
 
 前線で確かな技術でイバとL・ドミンゲスをサポートする松浦も「去年のふたりを知らないので、答えにくい質問です」と前置きしつつ、「彼らをどうやってフリーにするのか、それは自分たちの課題」と口を揃える。
 
 ふたりのアタッカーの不調について聞かれると「(やはり)そう見えますか?」と苦笑いで答えたのは佐藤。ただ佐藤も「あのふたりだけの問題じゃなくて、あのふたりをいかに自由にするか考えないと。あとは、相手チームがウチのやり方をわかってきたなかで、“レアンドロがドリブルで抜けだしたらファウルで止めればいい”みたいな安直な雰囲気がある。レフェリーにはカードをしっかり出してほしいです。試合の序盤だから出しにくいとかじゃなくて」と、ジャッジにも注文をつけた。
 最後に、外国籍選手の活躍に欠かせないのが円滑なコミュニケーション。松浦は、「“これは伝えないといけないことだな”と感じたら、その都度、通訳を呼んで英語、ポルトガル語を介して密に意識の疎通を図るようにしています」と、その重要性を強調していた。積極的に語学の勉強に取り組んでいる北爪は「ポルトガル語で単語レベルですけど、簡単な“前へ!”とか“速いボールをくれ!”といったサッカーで必要な用語は使えるようになりました。あとはメンタルに関するかけ声も。レアンドロがイライラしているときに、“落ち着いて、がんばろう!”ぐらいのことはいえるようになったと思います」と前向きな姿勢を見せる。

 昨年、北爪はリーグ戦初ゴールを決めるや否や、ウイングバックながら5得点(7アシスト)とブレイク。その原動力となったのはL・ドミンゲスとのコンビネーションで、彼には大きな恩を感じている。ふたりの絆が事態を好転させることを願わずにいられない。
 
取材・文●二本木昭(フリーライター)