シーズン終了から約1週間が過ぎたが、ドイツにおける長谷部誠への賛辞は止まる気配がない。

 今シーズンの長谷部のパフォーマンスは、まさに出色だった。

 公式戦44試合(ブンデスリーガ28試合、ヨーロッパリーグ14試合)に出場し、ELでベスト4進出、国内リーグではシーズン終盤までチャンピオンズ・リーグ出場権争いを展開するなど、望外の躍進を遂げたフランクフルトをリベロとして支え続けた。

 インターセプトからカバーリング、対人戦までハイレベルにこなし、35歳という年齢を感じさせなかったベテラン戦士に、地元紙は賛辞を送り続けている。

 フランクフルトの地元紙『Frankfurter Rundschau』は、シーズンを総括する記事において、長谷部のパフォーマンスを「キャリア最高だった」と激賞した。

「彼はワインを好んで飲まないが、プレーの方は、まるで芳醇なワインのように年を重ねれば重ねるほど上手くなっている。キャリア最高の状態を迎えるまで35年が必要だった。ハセベは頭脳明晰で狡猾、そして常に正しい判断をしていた。リベロとして守備陣を安定させ、さらにビルトアップやポジショニングも正確だった。戦略家であり、落ち着き払っている」
 
 同じく地元メディアの『Hessenschau』は、「今シーズンの勝者たち」と題した記事内で、フランクフルトでハイパフォーマンスを披露した5人を選出。マルティン・ヒンターエッガー、セバスティアン・アレ、ルカ・ヨビッチ、フィリップ・コスティッチとともに名を連ねた長谷部について、こう寸評を綴っている。

「もしも、この日本人で映画を作るとしたら『マコト・ハセベの数奇な人生』になるだろう。今のハセベはまるでハリウッド映画のベンジャミン・バトンのように年々若くなっているように感じる。2008年からブンデスリーガでプレーし、2009年にはヴォルフスブルクの一員としてリーグを制したが、当時のハセベは今シーズンほど優れてはいなかった。シーズン後半戦でプレー精度を欠いたとはいえ、フランクフルトは彼を今後数年は必要とするだろう」

 フランクフルトと2020年6月まで契約を結んでいる長谷部。“ピッチ上の監督”とも称えられた衰え知らずの名手は、これからも味のあるプレーでファンを楽しませてくれそうだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部