就任会見からわずか1週間で、韓国女子代表監督が辞意を表明した。

 かつて女子のU-20代表、A代表で指揮を執り、クラブチームでも他の追随を許さない実績を残してきたチョ・インチョル監督。年明け2月からラストスパートに入る東京五輪アジア予選に向けて、新たな船出を切ったばかりだった。

 辞任の引き金となったのは、国内メディアが一斉に報じた暴行疑惑だった。過去に選手に対して体罰等の問題行為があったとして、就任会見の9月3日からほどなくしてスキャンダルが発覚。大韓サッカー協会が本人や関係者から事情聴取をするに至り、最終的に今週火曜日、チョ監督がみずから退陣を決めたのだ。

 全国スポーツ紙の『スポーツソウル』は、韓国サッカー界にはびこる悪習を以下のように断じている。

「今回の一件によって、韓国サッカー界全体に残っている不条理な一面がふたたび明らかとなった。韓国サッカーは長きに渡って、指導者の選手に対する高圧的な態度、ときには暴行や暴言を浴びせるといった不条理を、正当性してきた経緯がある。結果さえ残せばいいという認識のなかで、容認されてきたのだ。だが、いまは時代が変わった。個々の行動の一つひとつに対して責任を負うべき社会だ。人権に対する認識も厳しくなった。韓国サッカー界もその点を認識しなければ、いつまでも悪習から抜け出すことはできない」

 
 任命責任を問われた協会のキム・パンゴン代表戦力強化委員長は、謝罪を口にしたうえで、「社会の速い変化に、指導者が付いていけていない。私自身もそうだ。10年、20年のことをすべて振り返れば、ただのひとりも自由になれないはずだ。誰もが反省しなければならない。私たちは、さらに啓発し、改善して反省しなければならない」と話し、改革に乗り出す意思を示した。

『スポーツソウル』紙は「キム委員長の選択肢は少なかった。予選が2月に始まることを考えれば外国籍監督の招聘は現実的ではなかったし、国内の優秀な女子サッカーの指導者は限られている」と記し、「委員長はすでに次善の候補者と接触しているようだ」と伝えている。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
参照元●スポーツソウル日本語版