8年前、元マンチェスター・ユナイテッドのパトリス・エブラと、当時リバプールに所属していた現バルセロナのルイス・スアレスの間で、人種差別発言を巡る問題が生じた。

 イングランドサッカー協会がスアレスに8試合の出場停止処分を科すと、翌日のウィガン戦のウォームアップで、リバプールのチームメートたちはスアレスを支持するTシャツを着用した。

 10月21日の英衛星放送『Sky Sports』で、エブラと当時リバプールの副キャプテンだったジェイミー・キャラガーがこの一件を振り返っている。

 エブラはリバプールがスアレスを支持したことに「とても失望した。わたしを噓つき呼ばわりした人までいた。だが、彼がその言葉を使ったのは映像でも見える。わたしがスアレスをレイシストと呼ぶことはできない。だが、あの日の彼は人種差別用語を使ったというだけだ」と述べた。

「(Tシャツを見て)バカげていると思った。信じられなかった。ああいうことをすれば、自分たちのクラブを危機に追いやる。チームメイトを支持しなければいけないのは理解するよ。だが、あれは処分が下された後のことだった。なのに、人種差別用語を使って処分を科された人間を支持して、どんなメッセージを世界に送るつもりだったのか」
 
 すると、キャラガーは「我々が大きな過ちを犯したことは疑いない。それは明らかだ」と返答。スアレスと親しい選手がTシャツを着る話を進めていたようだとしたうえで、「クラブとして間違えだった。我々は全員その一員なのだから、自分はそのひとりじゃないとは言わない」とコメントした。

「個人として自分は、Tシャツを着ないと言う勇気を欠いていたということだ。チームが一度決めてしまったら……。わたしには十分な勇気がなかった。リバプールの全員が(Tシャツ着用で)正しいことをしているとは考えていなかったと思う。だが、ファミリーとして、クラブとして、たとえ間違えていても支持するというのが最初のリアクションだった。そして、それは間違えていた。謝罪する。完全な誤りだった」

 これに対し、エブラは「実際、理解はするよ。クラブやチームメイトの最初のリアクションは、支えることだろう。自分が大きな間違いをしても、チームメイトやクラブが支えてくれなかったら失望を感じてしまう」と返している。

「だから、理解はする。でも、理解できなくもある。フィフティー・フィフティーだ」

 現在も世界の各地で人種差別を巡る問題は後を絶たない。FIFAを筆頭に関係機関は、撲滅のための努力を続けている。その日が早く訪れるのを願うばかりだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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