FIFA(国際サッカー連盟)のジャンニ・インファンティーノ会長が強力に推し進めてきたクラブ・ワールドカップ改革が、いよいよ結実する。

 現地木曜日に上海で開催されるFIFA理事会で、2021年に行なわれるクラブ・ワールドカップの開催地が決定する。欧米の複数メディアは中国・上海で内定したと、一斉に報道。現行の「毎年開催・7チーム参加」から、「4年おき開催・24チーム参加」に大会規模が大幅に拡張される。

 今回の中国開催に特大の影響を与えたのは、同国の世界的大企業『Alibaba』グループだ。空前の汚職スキャンダルを受けて、ジョセフ・ブラッター前会長らFIFA幹部が軒並み第一線から退いた。2016年にFIFA会長選で新たに選出されたのがインファンティーノ氏で、組織内外での大改革断行を宣言。スキャンダルに巻き込まれるのを恐れたビッグスポンサーがFIFAと距離を置くなか、同会長の改革を資金面で支えてきたのが『Alibaba』だった。

 クラブ・ワールドカップは前年の2015年大会から8年契約で、『Alibaba』グループ傘下の企業がメインスポンサーを務める。サッカー好きで知られる習近平・国家主席の要望もあって、ついに初のFIFA公式国際大会を開催するに至ったのである。

 詳細は理事会終了後に発表されるが、日程は2021年6月17日から7月4日までとされている。24チームが3チームずつの8組に分かれてグループステージを実施、各1位チームのみが決勝トーナメント(準々決勝)に進出。よって出場チームの試合数は最少で2試合、最大で5試合となる。

 
 気になる大陸別の出場枠だが、UEFA(欧州サッカー連盟)がFIFAの提案する「12枠」が多すぎると固辞したため、最後まで調整が難航したという。有力なのは「8枠」で、過去4シーズンのチャンピオンズ・リーグとヨーロッパリーグの王者がそれぞれ出場するという案だ。

 南米は「5〜6枠」が決定的で、残る「10〜11枠」を他の大陸で分け合うことになるか。アフリカ、アジア、北中米カリブ、オセアニアで、中国の開催国枠を含めてアジアは「4枠」を確保するというのが、大方の予想だ。どのようなレギュレーションになるかは未確定だが、浦和レッズ(2017年ACL優勝)、鹿島アントラーズ(2018年ACL優勝)にも出場権が与えられる可能性がある。
 とはいえ、クラブ・ワールドカップがスケジュールに食い込んできたため、2021年の夏は大忙しとなりそうだ。

 まず欧州シーズン終了後の5月31日から6月8日までが、インターナショナル・ウイークに指定されており、ワールドカップ予選やUEFAネイションズ・リーグが開催される予定だ。そのあとに新クラブ・ワールドカップが行なわれ、7月5日〜31日までの期間にアフリカ・ネーションズカップとゴールドカップ(北中米カリブ海カップ)が入るという。

 いずれにせよ、中国サッカー界にとってクラブ・ワールドカップのホスト国となったのは朗報だろう。悲願はもちろん、近未来のワールドカップ開催になり、大きな足がかりとなる。FIFAへの貢献とアピールは十二分なだけに、こちらも遅かれ早かれ実現するだろう。

 ただインファンティーノ会長は開催地のローテーション制を明言しており、現時点でアジアのカタール(2022年)、カナダ・アメリカ・メキシコ(2026年)での開催が決まっているため、中国での開催は早くとも2034年大会以降になると見られている。

 なお現行方式でのクラブ・ワールドカップは2020年までで、今年も来年も年末にカタールで開催される。2019年大会に日本勢として唯一、出場する可能性を残すのが浦和だ。水曜日のACL準決勝第2レグ、広州恒大(中国)戦を突破して、2年ぶりのアジア王者に輝けるか。注目の大一番を迎える。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部