2019年もいよいよ終わりが近づいている。欧州は一部の国を除いてウインターブレイクに突入した。日本人選手はシーズン前半戦で、どのようなパフォーマンスを残したのか。100点満点で採点した。

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南野拓実(レッドブル・ザルツブルク/オーストリア ※1月からリバプールへ移籍
)…90点(ほぼ申し分なし)
【2019-20シーズン成績】※18節終了時点
オーストリア・ブンデスリーガ=14試合・5得点・6アシスト
チャンピオンズ・リーグ=6試合・2得点・3アシスト
リーグ・カップ=2試合・2得点・2アシスト

 上々のシーズン前半戦だった。国内リーグで、開幕5戦3発と快調なスタートを切ると、迎えたチャンピオンズ・リーグでは第2節のアンフィールドで行なわれたリバプール戦で、1ゴール・1アシストと出色のパフォーマンス。敵将ユルゲン・クロップをはじめとするレッズ首脳陣を驚かせ、結果的にリバプール移籍を勝ち取った。

 代表でもアジア二次予選4戦連続弾(5点)と大車輪の活躍を見せながら、その疲れを感じさせずにコンスタントに結果を残したここまでの評価は、ほぼ満点といっていいだろう。後半戦は、「僕にとって夢だった」と語るプレミアリーグの大舞台で、本領を発揮できるかに注目だ。

大迫勇也(ブレーメン/ドイツ)…60点(及第点の出来)
【2019-20シーズン成績】※17節終了時点
ブンデスリーガ=12試合・4得点・1アシスト
DFBポカール=2試合・1得点・1アシスト

 パーフェクトに近い滑り出しを見せた。昨シーズンかぎりで退団したマックス・クルゼに代わる前線の新たな柱に君臨し、十八番のボールキープでアタッカーの飛び出しを促すなど攻撃を活性化。開幕3戦3発とフィニッシャーとしても申し分のない働きぶりで、主力に負傷者が相次いでいたブレーメンの生命線となっていた。

 だが、好事魔多し。9月18日の練習中に太ももを負傷し、5節から5試合の欠場を余儀なくされる羽目に。その離脱中に未勝利だったチームの救世主として期待されるも、復帰後は8試合でわずか1ゴールと波に乗れていない。ビハインドで交代を命じられる試合が増えてきた。

岡崎慎司(ウエスカ/スペイン2部)…60点(及第点の出来)
【2019-20シーズン成績】※21節終了時点
セグンダ・ディビジョン=18試合・4得点・0アシスト
コパ・デル・レイ=0試合・0得点・0アシスト

 今夏に一度はマラガに加入しながら、財政難による選手登録の問題で開幕直後に契約を解除。ドタバタでウエスカ移籍が決まったにもかかわらず、6節で初先発を飾ると、そこから12試合連続のスタメン出場し、3ゴールを挙げた。とりわけ、豪快なボレー弾を叩き込んだリーガ初得点は鮮烈だった。

 その後、3戦続けてベンチスタートとなったが、年内最終戦となった21節のサラゴサとのダービーで先発復帰すると、得意の泥臭い形から約2か月ぶりのシーズン4点目を決めた。すぐにチームにフィットしたのは評価できるが、当初の期待と得点を求められる3トップのCFで出場している点を考えると、及第点といったところか。VAR判定でゴールを取り消されたケースが6度もあり、そのうち半分でも認められていれば、プラス20点は上乗せできたが……。
武藤嘉紀(ニューカッスル/イングランド)…20点(失望した)
【2019-20シーズン成績】※19節終了時点
プレミアリーグ=6試合・0得点・0アシスト
リーグ・カップ=1試合・1得点・0アシスト

 プレミア挑戦2年目で苦境に立たされている。肉体改造に取り組んで開幕を迎えたが、今夏に加わったジョエリントン、アンディ・キャロル、アラン・サンマクシマンとの競争にあっさりと敗れ、プレミアリーグでは6試合で無得点と散々。11月末には、「彼が出来るのは、チャンスが訪れるのを望むことのみ」とスティーブ・ブルース監督から三行半を突き付けられ、事実上の構想外となっている。

 ベンチにも入れない日々が続いている状態では、当然ながら高評価は与えられない。1月の移籍市場で新天地を求め、心機一転、再出発を図る可能性も小さくない。

浅野拓磨(パルチザン/セルビア)…80点(とてもよくやった)
【2019-20シーズン成績】※20節終了時点
セルビア・スーパーリーグ=15試合・3得点・2アシスト
ヨーロッパリーグ=6試合・2得点・1アシスト
ヨーロッパリーグ予選=4試合・1得点・0アシスト
セルビア・カップ=0試合・0得点・0アシスト

 プレシーズンからセルビアの英雄サボ・ミロシェビッチ監督の信頼を掴み、左サイドハーフの定位置を確保。本職ではないが、スピードを活かした突破と献身性が評価され、コンスタントに起用されている。

 開幕当初は気持ちが空回りしたのか、決定機でのミスショットが散見されたが、16節に国内リーグ初ゴールを挙げると、その後は爆発。思い切りのいいシュートでネットを揺らし、ヨーロッパリーグのグループステージ第5、6節で連発するなど、直近に出場した公式戦7試合で5ゴールと躍動している。好調を買われ、10月には約1年ぶりに日本代表に復帰して得点を挙げるなど、充実のシーズンを送る。

伊東純也(ヘンク/ベルギー)…60点(及第点の出来)
【2019-20シーズン成績】※21節終了時点
ジュピラー・プロ・リーグ=21試合・2得点・6アシスト
チャンピオンズ・リーグ=6試合・0得点・0アシスト
ベルギーカップ=2試合・1得点・2アシスト
ベルギースーパーカップ=1試合・0得点・0アシスト

 自身初のチャンピオンズ・リーグにも挑戦した前半戦は、アタッカー陣の主力としてプレーしたが、チーム状態が芳しくなく、相手チームからの厳しいマークにも苦しみ、精彩を欠いた。

 とはいえ、欧州の大舞台を経験して少しずつ調子を上げ、12月7日のセルクル・ブルージュ戦で今季初ゴールをゲット。相手DFを一瞬でかわすスピードに加え、主砲ムブワナ・サマタとの良好なコンビネーションや、国内リーグでチームトップの6アシストをマークしたクロスの質など向上した点も多く、及第点は十分に与えられる。
安部裕葵(バルセロナB/スペイン2部B)…70点(よくやった)
【2019-20シーズン成績】※18節終了時点
ラ・リーガ2部B=15試合・4得点・0アシスト

 当初は4-3-3の左ウイングが主戦場で、なかなかインパクトを残せなかったが、11節に初めてCFで先発すると、8試合で4ゴール。17節には右足と左足で1点ずつ豪快なシュートを叩き込むなど新境地で躍動し、逸材アベル・ルイスから定位置を奪い取った。

 主力MFのリキ・プッチらとの連携も、試合を重ねるごとに向上している。2部B(実質3部)というカテゴリーとはいえ、バルセロナという独特のスタイルに馴染んだ点を含めて、ここまでは上々の出来と言っていいだろう。

中村敬斗(トゥベンテ/オランダ)…70点(よくやった)
【2019-20シーズン成績】※18節終了時点
エールディビジ=13試合・4得点・1アシスト
リザーブリーグ=1試合・0得点・0アシスト
リーグ・カップ=1試合・2得点・0アシスト

 ガンバ大阪から加わった俊英アタッカーは、PSVとのエールディビジ開幕戦で挨拶代わりのゴールをゲット。続くフローニンヘン戦でもFKからブレ球のゴラッソをねじ込むなど、鮮烈なデビューを飾った。

 70点に留めたのは、まだ継続性に欠ける部分があるから。1ゴール・1アシストを記録したフォルトゥナ・シッタルト戦(第6節)ではレイトタックルから一発退場となり、未熟な部分も覗かせた。とはいえ、まだ19歳。後半戦もこのまま臆せずプレーしてほしい。
食野亮太郎(ハーツ/スコットランド)…70点(よくやった)
【2019-20シーズン成績】※19節終了時点
スコットランド・プレミアシップ=14試合・2得点・1アシスト
リーグ・カップ=2試合・0得点・0アシスト

 電撃的なマンチェスター・シティ移籍で世間を沸かせた男は、ハーツにレンタル。英国内での労働許可が下り、出場可能となった4節以降、国内リーグで14試合連続出場と信頼を掴んでいる。

 主に起用されている3トップの右ウイングで、ダイナミックな仕掛けから豪快なフィニッシュに持ち込む得意の形をたびたび披露しており、タフな巨漢DFたちを相手に同等以上に渡り合っているのは、評価に値する。ゴールやアシストといった目に見える結果をもう少し上積みできていれば80点を与えてもよかった。

前田大然(マリティモ/ポルトガル1部)…60点(及第点の出来)
【2019-20シーズン成績】※14節終了時点
リーガNOS=14試合・3得点・0アシスト
リーグ・カップ=0試合・0得点・0アシスト
ポルトガル・カップ=0試合・0得点・0アシスト

 加入直後からスタメンに定着。持ち前のスピードを活かした裏への抜け出しからチャンスを数多く作り出した。ただ、シュートを決めきれない場面も目立ち、3ゴールはやや物足りない。

 初の海外挑戦としては奮闘しているが、来年に控える東京オリンピックのメンバー入りを目指すうえでは、決定力を上がていきたいところ。期待も込めて、採点は60点にとどめた。
北川航也(ラピド・ウィーン/オーストリア)…40点(やや不満が残る)
【2019-20シーズン成績】※18節終了時点
オーストリア・ブンデスリーガ=5試合・0得点・1アシスト
リーグ・カップ=1試合・1得点・0アシスト

 欧州挑戦1年目の船出は厳しいものとなった。8月24日(現地時間)の第5節から4戦連続出場を飾り、さらに国内カップ戦では王者のザルツブルクからゴールを奪うなど、一気に波に乗るかと思われた。しかし、その矢先に左足首の靭帯損傷と圧迫損傷という大怪我を負って約2か月半の長期離脱を余儀なくされた。

 12月14日の年内最終戦で戦列には復帰しただけに、2月から始まる後半戦では、溜め込んだ鬱憤を晴らす活躍を期待したい。

西村拓真(CSKAモスクワ/ロシア1部)…30点(不満が残る)
【2019-20シーズン成績】※19節終了時点
ロシア・プレミアリーグ=5試合・0得点・0アシスト
ヨーロッパリーグ=1試合・0得点・0アシスト
ロシア・カップ=2試合・2得点・0アシスト

 粋のいい若手とのポジション争いに勝てず、国内リーグでは、ここまで先発はわずか1試合、出場時間は225分のみでいまだノーゴール。ベンチ入りもままならない不本意なシーズン前半だった。

 唯一インパクトを残したのが、GKとの1対1を制して冷静に1試合2ゴールを決めた9月のロシア・カップ5回戦。その試合で見せた決定力を発揮するためには、まず出場機会を増やしたいところだ。

奥川雅也(レッドブル・ザルツブルク/オーストリア)…70点(よくやった)
【2019-20シーズン成績】※18節終了時点
オーストリア・ブンデスリーガ=13試合・6得点・6アシスト
チャンピオンズ・リーグ=4試合・0得点・0アシスト
リーグ・カップ=3試合・1得点・0アシスト

 キール(ドイツ2部)での武者修行期間を経て復帰した若武者は、開幕から2試合連発と存在感をアピールし、多士済々のアタッカー陣がひしめくザルツブルクで貴重な戦力へと成長した。

 ただ、リバプールとナポリという強敵と同組となったチャンピオンズ・リーグで、出場時間が限られたこともあって苦戦。大舞台で目に見る結果を残すことはできなかった点はマイナス材料となった。後半戦は、リバプールへと移籍する南野の穴を埋める活躍が期待される。

鈴木優磨(シント=トロイデン/ベルギー1部)…70点(よくやった)
【2019-20シーズン成績】※21節終了時点
ジュピラー・プロ・リーグ=16試合・5得点・0アシスト
ベルギーカップ=1試合・0得点・0アシスト

 今夏に鹿島からベルギーへ渡る。初の海外挑戦ということもあり、当初はコンディション不足か出番を与えられなかったが、10月ごろからは定位置を確保。5ゴールと結果を残した。

 2トップを務めるコートジボワール代表FWヨアン・ボリとのコンビネーションは、現地で高く評価されている。欧州のテンポにも適応しはじめており、後半戦はゴールラッシュが期待できそうだ。
宮市亮(ザンクトパウリ/ドイツ2部)…70点(よくやった)
【2019-20シーズン成績】※18節終了時点
ブンデスリーガ2部=18試合・1得点・4アシスト
DFBポカール=1試合・0得点・0アシスト

 先発を外れたのは1試合だけ。序盤は右サイドバックや2トップの一角としてプレーしたが、右ウイングのレギュラーとしてフル稼働した。これが特別な意味を持つのは周知の通り。度重なる怪我に泣かされてきた快足アタッカーがついに負傷もなく、定位置争いにも敗れずに、シーズン前半を戦い抜いたのだ。

 スピードを活かしたドリブルや飛び出しが光り、ここまで1ゴールながら地位は揺らいでいない。前半戦ラストゲームでは首位ビーレフェルトの撃破に貢献。8戦未勝利とチームが停滞した際も、自身を起用し続けてくれたヨス・ルフカイ監督の期待に応えた。
久保裕也(ヘント/ベルギー1部)…30点(不満が残る)
【2019-20シーズン成績】※20節終了時点
ジュピラー・プロ・リーグ=6試合・0得点・0アシスト
ヨーロッパリーグ=1試合・0得点・0アシスト
ヨーロッパリーグ予選=4試合・2得点・1アシスト
ベルギーカップ=1試合・1得点・1アシスト

 ニュルンベルクからレンタルバックされた今シーズンは、プレシーズンで結果を残せず。ヨーロッパリーグの予選では出番が与えられていたが、リーグ開幕後はほとんど出場機会を得ることができず、カップ戦要員に甘んじている。

豊川雄太(オイペン/ベルギー1部)…30点(不満が残る)
【2019-20シーズン成績】※20節終了時点
ジュピラー・プロ・リーグ=15試合・1得点・1アシスト
ベルギーカップ=1試合・0得点・0アシスト

 序盤戦は昨シーズンの勢いそのままに、レギュラーとしてプレー。しかし、シーズンが進むごとに少しずつ先発から外れる機会が増え、勝利に貢献することができなかった。12月26日にはセレッソ大阪への移籍が決まった。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部