シーズン途中に成績不振で解任されたウナイ・エメリが、1年半に及ぶアーセナルでの経験を振り返った。

 英紙『Guardian』のインタビューで、スペイン人指揮官は、「1年目はかなりうまくいった。『これは私のチームだ』と思ったし、人も『君の個性が見える』と言っていた。スピリット、インテンシティー、エネルギーがあった。13年ぶりに(欧州の舞台で)決勝にも進んだ。プレミアリーグで3位フィニッシュも手の届くところだったが、クリスタル・パレスやブライトンとの試合で決定的な4ポイントを失った」と語った。

「ヨーロッパリーグ決勝ではチェルシーのほうが良かった。それは受け入れる。準備は良かったし、全員がコミットしていたのだが。ただ、一部選手のメンタリティーは、ある日は『イエス』で別の日は『ノー』だった。サッカーでは毎日『イエス』でなければならない。最後の数週間、多くの試合を乗り切るのに、われわれにはそのもう少しが足りなかった。100%専念しなければ負ける」
 
 エメリは「ミスもあった。監督として自分の責任は負う。例えば4人の主将が全員去ったことだ」「リーダーたちがいなくなり、ロッカールームが変わった」ともコメント。アーロン・ラムジー、ペトル・チェフ、ロラン・コシエルニ、ナチョ・モンレアルが一気に去ったことは痛手だったと話している。

 新たにキャプテンとなったのは、グラニト・ジャカだった。チームの面々に投票させて決めたことだ。なぜ、エメリは自分の責任で主将を選ばなかったのか。その理由について、「ジャカはキャプテンになれると信じていた。選手たちも彼に投票した。リスペクトされていたんだ」と話している。

「50%は私で、50%は選手たちという戦略だった。選手たちの意見も入れたかったんだ。主将になる性格の選手たちはいたが、時間と支えが必要だよ。ファンや一部の人たちのサポートがなければ、より難しくなる」

 語学力も取りざたされたエメリだが、英語は「まずまずのレベルなんだ。改善の必要はあったがね」と強調している。

「結果が悪いと変わってしまうものなんだ。説明するのに語学の深みが足りない。すると『evening』の発音が違っても、勝てばおかしいのに、負ければ不快となる」
 
 結果が出なくなり、エメリは「難しかった。エネルギーがなくなり、物事がずれていく。支えてくれる人もいるが、雰囲気や関係が変わったと感じるんだ。それがピッチにも伝わる。選手たちには『私が望むチームが見られない』と言ったよ。もう団結やコミットメントがなかった。クラブは私をひとりにし、解決策はなかった」と続けた。

「どのクラブでも守られた。ロルカ、アルメリア、バレンシア。セビージャではモンチがいた。パリ・サンジェルマンではナセル・アル・ケライフィがロッカールームでも公でも守ってくれた。アーセナルではそれができなかった。『われわれは君と一緒だ』と言うが、ファンやチームの前では守れない。孤独を感じた。そして結果で私は去らなければならなかった」

 現在の目標は現場に戻ることだ。エメリは「仕事への意欲とエネルギーはある。サッカーを見て学んでいるよ。イングランドに良いプロジェクトがあり、だれかが自分を望んでくれ、支えてくれる準備があるなら、私には用意がある」と話している。

「イングランドではチームへの帰属意識がゲームを生かす。より深いんだ。教会みたいだよ。私はサン・セバスティアン出身で、私のチームはレアル・ソシエダだ。そういう感覚が私の心にはある。イングランドでもそれを見つけられるんだ。素晴らしい。最高だよ」

 エメリがイングランドなどで再び指揮を執る日は訪れるだろうか。

構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部