今から17年前、当時16歳だったセスク・ファブレガスは、イングランドの“超名門”アーセナルの扉を叩いた。

 当時のアーセナルと言えば、フランス人の名将アーセン・ヴェンゲルが率いて7年目。各国のスーパースターが集ったチームは完全に成熟期を迎えていた。

 そこにバルセロナからやってきたティーンエージャーの存在は、エースにも不思議に見えていたという。現地時間5月14日に行なわれたインスタグラムのライブ配信において、元フランス代表FWのティエリ・アンリとセスクが直接対話。当時の思い出を回想した。

 アーセナル加入直前に開催されたU-17ワールドカップで大会MVPと得点王となったセスク。その事実を知らなかったというアンリは、襟足を長く伸ばしていた独特なヘアースタイルをしていた若きスペイン人を見て、「幻かと思った」という。

「僕は君と初めて練習した日のことは忘れもしないよ。君を見て、最初は幻かと思ったんだ。それぐらい髪型はひどいものだったのさ(笑)。それに、当時のシャツは誰にとっても大きかったが、君は、まるで巨大なドレスを着ているかのようだった。

 それでボス(ヴェンゲル)に、『あいつは誰なんですか?』と言ったら、『ああ、彼はU-17ワールドカップで活躍した男だ』と言われて、みんなと『とにかくやるやつらしいぞ』って話していたんだよ」
 
 練習を進めていくなかで、アンリはセスクに対する考えを改めさせられたという。

「練習中に君とパトリック・ヴィエラ、そしてジウベルト・シウバを見て、『オーマイガー!』って思ったよ。君がボールを触るたびに流れが変わったからね。ゲームの全てがね。パトリックやジウベルトのようなレベルの選手が、君に近づくことすらできなかった。すぐに私たちと一緒にプレーできると分かったのはその時だった」

 その後、2003年10月のロザラム戦(リーグカップ)でクラブ史上最年少デビュー(16歳と177日)を飾ったセスクは、2008年にトニー・アダムスに次ぐクラブ史上2番目の若さでキャプテンを任されるなど、アーセナルの絶対的司令塔にまで成長した。

 その後輩について「これまで一緒にプレーした中で、最も知性のある選手の1人」と絶賛したアンリ。そのファーストインプレッションは間違っていなかったようだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部