サッカー界では新型コロナウイルスの影響による中断というあまりにも大きなニュースがあり、各チームの細かい変化などは話題になっていないのが実情だろう。そんな今季、浦和レッズの大きなトピックと言えば、4バックへの変更だ。

 昨季まで採用していた3−4−2−1ではなく、4−4−2となった。その新システムで、重要な存在がサイドハーフだ。

 浦和は2月に公式戦2試合を戦い、ルヴァンカップ初戦ではベガルタ仙台に5−2、リーグ開幕戦では湘南ベルマーレに3−2で勝利した。4失点全てがクロスボールからという点がフォーカスされがちだが、一方でゴールとアシストに加えて、PK獲得、アシストのひとつ前の有効なパスを含むと、8得点のうち6得点でサイドハーフが絡んでいることも見落としてはならないだろう。

 2試合連続スタメン出場の関根貴大が1得点・1アシストに、1回のPK獲得、汰木康也が1アシストに1回のビッグチャンス創出。両試合とも途中出場のマルティノスが1得点・1アシストを記録している。

 さらに、このポジションにはキャンプ最終盤の負傷でこの2試合を欠場した長澤和輝に加え、FWもできるタイプではファブリシオや武富孝介、そしてルーキーの武田英寿もトレーニングで務める機会がある。激戦区であり、そして個々の質も高いポジションだと言えるだろう。
 
 実績という点では少し劣るものの今季にブレイクの気配を見せているのが汰木だ。開幕前のキャンプ中、大槻毅監督はまったくメンバーを固定しなかったが、左サイドハーフで汰木にかけている期待が大きいことは察せられた。

 相手ボール時のトレーニングでもポジショニングを細かく指導するなど、重要な戦力として組み込もうとする意図が見えた光景もある。そして汰木は、2月の2試合で及第点のプレーと結果を残したと言えるだろう。

 また、関根がキャンプ中に「メンバーを見ると右サイドは堅実に守れて、左サイドは積極的に攻撃できる選手が揃っていると思う」と話した。左SBには2試合・2アシストの山中亮輔や突破力が魅力の荻原拓也、後方からのサポートが上手い宇賀神友弥が控える。その構成を考えても、左サイドハーフのプレーは新生・浦和の成績を大きく左右する。
 昨季にモンテディオ山形から加入した汰木は、当時のオズワルド・オリヴェイラ監督に成長スピードの速さを評価され、早い段階でスーパーサブとでも呼ぶべき地位を手に入れた。

 その後の監督交代で大槻監督が就任するとやや出場機会は減ったが、ルヴァンカップの鹿島アントラーズ戦など重要なゲームで先発するチャンスも得た。必ずしもインパクトのあるプレーを残せたわけではないが、その悔しさもまた今季につながっている。

 端正な顔立ちで女性ファンも多く、左45度から見せる切れ味鋭いカットインには浦和を彩ってきたドリブラーの系譜を継ぐ素質を十分に感じさせる。まさに、次世代のスター候補だと言えるだろう。ボールを持って仕掛けに入る瞬間、背筋がスッと伸びてスピードアップする24番に要注目だ。

構成●サッカーダイジェスト編集部