リオネル・メッシがバルセロナでエースとしての地位を絶対的なものへと確立し始めた2007-08シーズン頃から、「メッシ2世」や「ネクストメッシ」と呼ばれ、次代の担い手になると将来を嘱望された俊英たちが登場し始めた。

 なかでも、とりわけ注目を集めた一人が、元スペイン代表FWのボージャン・クルキッチだろう。

“本家”と同じバルセロナのカンテラ出身のボージャンは、2007年に17歳と18日という若さでラ・リーガデビューを果たして以来、小柄な体躯に、サラサラのヘアースタイルという見た目も相まって、メッシのようなスターになりうる存在として世界の注目を集めた。

 しかし、競争の激しかったバルサのトップチームで定位置を勝ち取れなかったボージャンは、2011年の夏に恩師ルイス・エンリケに乞われてローマに移籍。以後、ミランやストークなど5クラブを渡り歩き、次第に表舞台から消えていった。

 29歳となった現在はメジャーリーグサッカー(MLS)のモントリオール・インパクトに在籍しているかつての“神童”が、メッシとの比較について持論を展開した。
 
 アルゼンチン・メディア『Tyc Sports』によれば、ボージャンは現地時間6月9日にスペイン紙『El Pais』のインタビューで、周囲からキャリアが失敗に終わったと見られていれることについて、「僕のキャリアは終わってない」としたうえで、こう語っている。

「僕が失敗だったっていうの? 僕はメッシと一緒にプレーしたし、英語にイタリア語、そしてスペイン語とカタルーニャ語を扱えるんだよ? 5つのタイトルを獲ることよりも重要なことだと思う」

 さらにボージャンは「僕は勝者だと思うよ」と続けている。

「僕はどちらかと言えば“勝ち組”だ。バルサのトップチームでの4シーズンで40ゴール以上を決めたし、どんなプレーをしたか細かく覚えていないけど、良いプレーはしていたと思う。だからバルサでの4年に満足しているんだ」

 そして最後に、たった1試合とはいえスペイン代表としてもプレーしたアタッカーは、こう言い残している。

「僕のようなキャリアをどれだけ多くの人が夢見てるっていうんだ」

 プロデビュー以来、とてつもない重圧を背負ってきたボージャン。周囲が期待したような輝かしいキャリアではなかったかもしれないが、本人はその辿ってきた道に誇りを持っているようだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部