J1リーグ2節
浦和レッズ―横浜F・マリノス
7月4日(土)/19:00/埼玉スタジアム2002
 
浦和レッズ
今季成績(1節終了時):4位 勝点3 1勝0分0敗 3得点・2失点

 浦和レッズは4日のJ1再開初戦で、昨季王者の横浜F・マリノスをホームに迎える。とはいえ、普段であれば大声援での後押しを受け、相手に威圧感を与えるはずのスタンドにその仲間はいない。新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、無観客でのリモートマッチで行なわれるからだ。

 浦和は今季の始動から4バックに取り組んでいる。沖縄県でのトレーニングキャンプから積み上げてきた方針は、この中断期間にも変わっていない。その中で変化を見出すとすれば、新戦力の順応と負傷者の復帰だろう。

 今季の新外国人補強となったオーストラリア五輪代表主将のトーマス・デンは、2月に入ってからの合流となったために、その月末に行なわれた公式戦2試合では起用されなかった。しかし、この期間にチームへの順応具合を高めたことは、大槻毅監督の「チームに溶け込もうと努力しているし、若いけどリーダーシップがある。意気込みも伝わってきている」という言葉からも窺われる。また、ルーキーのMF武田英寿については「意欲的にやっているし、体の軸が強くなったことで良い面が際立つようになった」と高評価。交代枠がハーフタイムを除く3回で最大5人までとなったこと、過密日程という要素を合わせれば、いずれもメンバーにハッキリと絡んできそうだ。
 
 また、2月のゲームに負傷からの復帰が間に合わなかった選手では、長澤和輝、武藤雄樹、ファブリシオ、宇賀神友弥といったレギュラークラスが完全に復帰。武冨孝介はさらなるコンディション向上が必要な状況にあるものの、目立った離脱者がないフルメンバーで準備を進めてきた。そのことは激しい競争を生みながら、陣容のバリエーションも与える。指揮官は対戦相手による変化を「自分たち、相手だけでないバランスを考える。チームとして主体的にやりたいと話しているので、それをどこで発揮するか」と言及し、選手起用は「組み合わせ」をキーワードに挙げた。

 それだけに、ポゼッション能力と攻撃力に優れ、高い最終ラインをキープする前年度王者との一戦では前述の長澤や青木拓矢、柴戸海といった中盤で強度を発揮できる選手をスタメン起用する可能性もある。また、途中出場も含めゴール前に強い興梠慎三やレオナルドだけでなく、背後を取る動きに長けた武藤もキーマンになり得る。交代枠の拡大は、浦和のメンバーを見ればプラス要素だろう。

 大槻監督はこの一戦の意義を「日常へ戻る第一歩のところ。満員の埼玉スタジアムに戻るためのスタート」と話した。現実のスタジアムにサポーターの姿はないが、その必死に戦う姿でホームタウンを盛り上げ、サッカーがある日常が戻ってきたことを表現したい。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
J1リーグ2節
浦和レッズ―横浜F・マリノス
7月4日(土)/19:00/埼玉スタジアム2002

横浜F・マリノス
今季成績(1節終了時):14位 勝点0 0勝0分1敗 1得点・2失点

 リーグ戦中断期間中の3月に實藤友紀を、5月には天野純と小池龍太を迎え入れ、チャンピオンチームはさらに層を厚くした。さらに先日、興国高の平井駿助を特別指定選手として登録し、ユース所属の津久井匠海とプロ契約するなど次世代を担う若手の発掘にも余念がない

 再開後の過密日程対策とACLを見据え、メンバーリストは34人にふくらんだ。コロナ禍の影響で「夏の移籍ウインドーでの補強は不透明」(小倉スポーティングダイレクター)という先をにらんだ采配だ。少々のアクシデントには対応可能な戦力が整い、盤石の体制で連覇&アジア制覇に向けた再スタートを切る。

 だからこそ、アンジェ・ポステコグルー監督の用兵術に注目が集まる。優勝に向けて突き進んだ昨季終盤がそうだったように、どちらかといえばスタメンを固定することでチームの成熟を図っていくタイプで、試合ごとにやり繰りするような手法はあまり好まない。

 しかし今季はかつてない連戦が待ち受けているため、一筋縄にはいかないだろう。駒は揃っているだけに、あとは指揮官がいかにして使いこなすか。試合ごとに戦力の最大値を高める的確な判断が求められる。
 
 そこでポイントになるのが、3人から5人に増える交代枠の活用方法だ。ポステコグルー監督は交代枠を残したまま試合を終えることも多く、効果的に活用して試合の流れを引き寄せたケースは少ない。

 しかし今季は、特にオフェンス面で特徴ある選手が多いだけに、試合展開によって柔軟な選択で勝利を手繰り寄せたいところ。それができるキャストとルールは整っている。

 例えば、湘南との開幕戦でクロス対応に不安をのぞかせた浦和との一戦では、水沼宏太&オナイウ阿道のセット起用が面白い。水沼が繰り出す右足での正確なクロスをゴール前での迫力が武器のオナイウが合わせる。いずれも先発予想には含まれていないが、途中出場でもひと仕事できる能力の持ち主であることに変わりはない。

 これはほんの一例に過ぎず、ほかにもドリブル突破が武器の遠藤渓太や左利きでセットプレーも魅力の天野、あるいは、いわゆるSBらしいタイプの小池など一芸に秀でた選手がいる。先発の11人に固執することなく臨機応変な采配で勝利の確度を高めたい。

 再開初戦で顔を合せる浦和は各セクションに能力の高い選手を揃える難敵だけに、試合の流れを引き寄せる大胆な采配がさっそく必要になるかもしれない。

文●藤井雅彦(ジャーナリスト)