土曜日の大阪ダービーで新たな金字塔が打ち立てられた。

 ガンバ大阪と日本サッカー界が誇る至宝、遠藤保仁がJ1通算の最多出場記録を更新。楢崎正剛氏と並んでいた数字をひとつ上積みして「632」とし、単独トップに躍り出たのだ。

 試合後の会見では記録更新に関する質問が殺到。本人は「この数週間はそのことばかり訊かれていたのでさすがに意識はしてましたけど、特別な感情までは。いつも通り、いい試合をしたいと思ってピッチに立ちました。(チームメイトの)みんながTシャツを着てくれてたのは嬉しかったですけどね」と、淡々と明かした。

 今週木曜日に全国発売される本誌「サッカーダイジェスト」では、偉業を達成した鉄人ヤットの大特集を組んでいる。筆者はその誌面で、ロングインタビューを担当させてもらったのだが、そのなかで遠藤は「632試合」への感謝と想いを示しつつ、実はもっと褒め称えてほしい最多データがあると主張した。

「631試合中、だいたい600試合くらいは先発で出てるんじゃないかな。これは自慢じゃないけど、自分でも誇れる数字やし、なかなかできないものやと思う。あとは去年、全公式戦で1000試合出場を達成した。こっちのほうがよっぽどの記録やと思うんやけど、扱いは小さい(笑)」

 先発が600試合? さっそく遠藤の言葉を頼りに調べてみると、なんと7月4日の大阪ダービーが605試合目の先発出場だった。1998年春の横浜ダービーでその第一歩をしるしてから、22年間で前人未到の632試合に到達し、そのうち95.7%のゲームでスタメンを張ってきたのである。これは並大抵の数字ではない。

 
 一方で全公式戦の出場数は、現時点で1015試合に更新されている。これももちろん日本人選手トップの数値だ。1000試合超えは、世界で見てもシャビ(元スペイン代表)、ジャンルイジ・ブッフォン(元イタリア代表)、パオロ・マルディーニ(元イタリア代表)、ライアン・ギグス(元ウェールズ代表)、フランク・ランパード(元イングランド代表)、ハビエル・サネッティ(元アルゼンチン代表)らスーパーレジェンドたちしか成しえていない大記録だ。

 そのほかにもヤットは、「日本代表歴代最多出場(153試合)」や「Jリーグベストイレブン最多選出(12回)」「Jリーグ21年連続開幕スタメン」などなど、数多の最多記録を保持している。

 あと数年でなにをどこまで伸ばすのか──。どれも容易くは打ち破れない勲章ばかりだ。

取材・文●川原崇(サッカーダイジェストWeb編集部)