2月の開幕から、コロナ禍での約4か月の中断期間を経てJ1リーグも7月4日から再開された。“第2の開幕”とも言える、第2節、3節の2試合を終え、チーム内でも変化が生じている。スタメン争いの構図や今後の台頭が予想される若手などを踏まえ、広島の最新チーム内序列を紹介していく。

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【FW】
 昨年末から公式戦5試合で連続ゴールを続けているレアンドロ・ペレイラがエース級の存在に。両足、そしてヘッドでも得点を狙えるシュート技術の高さ、スピード、強さはもちろん、前線からの守備でも頼れるようになってきた。独力でいける破壊力も持っているが、どちらかと言えばコンビネーションで得点を取るタイプなだけに、チームに慣れてきた今季は得点王も十分に狙える。

 2番手ではドウグラス・ヴィエイラを1列上げる選択肢も有力だが、シャドーの状況によっては経験豊富な永井龍が選択される可能性も。練習試合で結果を出したルーキーの鮎川峻も気になる存在で、ともにゴール前でのポジション取りが秀逸なアタッカーだ。
 
【MF】
 シャドーはD・ヴィエイラと森島司の存在がクオリティの面で抜けている。強烈なドリブルを持つエゼキエウや、神戸戦でアシストを記録した東俊希の台頭により、2セットでのローテーションも。左ワイドは柏好文の負傷離脱が痛いが、浅野雄也と藤井智也の競争で乗り切る構え。右はハイネルへの信頼が厚いものの、体力面で不安を抱えているため、茶島雄介とのリレーで酷暑を制圧する。

 ボランチでは青山敏弘と川辺駿の2人が秀逸なプレーを続けており、柴﨑晃誠と野津田岳人もトレーニングで成果を出している。若手の有望株である松本泰志と松本大弥は守備を磨き、チャンスを窺う。またルーキーの土肥航大は現在様々なポジションで可能性を見出している段階にある。
 
【DF】
 佐々木翔、荒木隼人、野上結貴の3バックは鉄板。特に佐々木と野上は守備の強さだけでなく、攻撃性にも磨きをかけてチャンスメーカーとしても機能している。荒木隼人も対人の強さとカバーリング能力で神戸戦では獅子奮迅の働きを見せ、チームを支えた。

 ただ、大分戦で野上が足を痙攣させたことでも分かるように、強烈な夏場の連戦を、この組み合わせだけで乗り切るのは難しい。清水航平、井林章、櫛引一紀のセットも経験豊富だけに、この3人を状況次第で使い分けるか、リリーフ起用で乗り切るかは思案のしどころだ。
 
【GK】
 藤原寿徳GKコーチは「これだけの連戦になると、頭の疲労が厳しい」と語り、1人で乗り切ることの難しさを示した。実際、再開以降もグッドセーブを続けている大迫敬介ではあるが、大分戦では2失点に絡んでしまい、メンタル的に衝撃を受けていることは否めない。一方で、実績豊富な林卓人の今季のコンディションは良好で、練習でも好プレーを連発している。2人をローテーションしながら夏場の連戦を乗り切っていく可能性も十分にある。

 また総合力の高い増田卓也とビルドアップに長けている廣永遼太郎の2人も、虎視眈々とポジションを狙っている。GK王国の伝統を保っている広島の場合、最後方は誰が出てもおかしくはない。
 
取材・文●中野和也(紫熊倶楽部)