レアル・マドリーが久保建英を再びレンタル修行に出すことはすでに決定事項だ。だが、仮に来シーズンにトップチーム入りするとしたら、どのポジションでプレーし、出場機会はあるだろうか?

 ジネディーヌ・ジダン監督は、トップ下を置かない4−3−3をメインに採用する。このシステムで久保が主戦場とするウイングは、エデン・アザール、マルコ・アセンシオ、ヴィニシウス・ジュニオール、ロドリゴ、ガレス・ベイル、ブラヒム・ディアス、ルーカス・バスケスとその顔触れは多士済々で、まさにオーバーブッキング状態だ。

 CFにはカリム・ベンゼマが君臨し、健康体でさえあればアザールはアンタッチャブルな存在であるため、久保は残り1つのポジションを5〜6人と争うという構図となる。ましてやジダンは重要な試合では、一方のサイドにはイスコのようなMF的な選手を起用する傾向があり、伸び盛りの19歳といえども、出場するだけでも狭き門というのが現状だ。

 久保の理想のポジションは右ウイングだろう。ここには怪我から復帰し、ジダン監督の信頼が厚いアセンシオが立ちはだかる。ただ2番手となると、ロドリゴは久保と同様にまだ経験が浅く、L・バスケスは年々存在感が低下、ベイルは売却候補、ブラヒムはレンタルに出すことを検討といずれも決め手を欠くため、アザールがレギュラー、ヴィニシウスが準レギュラーと序列が明確な左サイドに比べ、つけ入る隙はある。

 実際、ジダンは今シーズン、ローテーションを回しながら様々な選手を起用しており、アピール次第では、アセンシオのバックアッパーとして重要な役割を担うことは決して不可能ではないだろう。

 将来的にもマドリーが4−3−3のシステムを継続採用したと仮定して、中に切れ込んで、周囲の選手とパス交換しながら崩せるこの右ウイングが久保の目指すべきポジションとなりそうだ。
 
 ジダンは今シーズン、4−4−2も頻繁に導入している。このシステムだと理論上はベンゼマとともに2トップの一角としてプレーできる。ただ問題はベンゼマが典型的な9番ではなく、10番の役割もこなすいうなれば9.5番的なストライカーである点だ。持ち味を発揮させるには周りの選手は、前線で幅広く動き回れるだけのスペースを確保する必要がある。

 実際、今シーズン、アザールがセカンドトップで起用された試合では、頻繁に左サイドに流れ、ベンゼマとの補完性を築いていた。つまるところベンゼマがCFに君臨し続ける以上、前線でコンビを形成する選手はサイドアタッカー的な役割が要求され、そう考えるとアザールのほかにも、アセンシオ、ヴィニシウスといった選手もライバルになる。定位置争いは右サイドよりも熾烈だ。

 久保が現状、周囲とのコンビネーションで崩すタイプのアタッカーであり、FWとしては得点力に不安が残る点も踏まえれば、右サイドのほうが適性があると言えそうだ。
 
 もう一つプレーできそうなポジションとしてインテリオール(インサイドハーフ)も挙がる。ただ4−3−3システムにおけるインテリオールは運動量や守備力、戦術眼といった部分も高い次元で求められる。

 マドリーのような攻撃的な選手が揃うチームではなおさらで、まだ身体が出来上がっていない久保にそのレベルのプレーを期待するのは時期尚早だろう。あくまで将来に向けてのオプションという位置づけだ。

 また同じ中盤で、4−4−2の変則型である4人目のMFとして一方のサイドに張らせる起用法もある。ジダンは今シーズン、主にフェデリコ・バルベルデを右サイドに配置する形で何度かこのオプションを試した。

 ただバルベルデのほかにもイスコやアセンシオとこのポジションをこなせる強力なライバルがひしめいていることに加え、ジダンは中盤のバランスの強化を念頭に入れて採用しており、当然、相応の攻守のバランスが要求される。

 インテリオールのところで先に述べた通り、久保はライバルに比べてその点で見劣りしており、現状では彼の特徴に合ったポジションとは言い難い。

文●セルヒオ・サントス・チョサス(アス紙レアル・マドリー番)
翻訳●下村正幸