スペイン2部リーグを6位でフィニッシュしながら、3位から6位までの4チームが参加して行なわれる昇格プレーオフでサラゴサ(3位)とジローナ(5位)を連破し、5年ぶりに1部復帰を果たしたエルチェ。

 年間予算は、2部リーグの中でも下から5番目で、40歳のFWニノが「だれもエルチェが昇格できるとは考えていなかった」と語ったように、下馬評を覆しての昇格だった。

 しかし、昇格を決めたその2日後、クラブは最大の立役者であるパチェタ監督の退団を発表。さらに翌日、後任にアルゼンチン人のホルヘ・アルミロンを招聘したことを明らかにした。
 
 この人事に大きく関わったのが、オーナーのクリスティアン・ブラガルニクだ。母国のアルゼンチン1部リーグだけでも4人の監督、54人の選手をクライアントに持つ大物代理人で、その中には現在ヒムナシア・ラ・プラタを率いるディエゴ・マラドーナも含まれている。いま現在、アルゼンチン・サッカー界でもっとも影響力の強い企業家のひとりと言われる男だ。

 昨年12月、エルチェの最大株主になった際にも、クラブ関係者やファンの間では「みずからの顧客をチームに送り込むのでは」と心配する声が上がっていたが、昇格決定後に早速、クライアントのひとりであるアルミロン監督を招聘している。

 オーナーによる強権発動とも言えるが、はたしてこの監督人事がチームにどう影響を及ぼすのか。新シーズンのエルチェの戦いに注目だ。

構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部