マンチェスター・ユナイテッドはオフシーズンを通じ、ドルトムントのジェイドン・サンチョを狙ってきた。だが、OBのウェイン・ルーニーは、古巣が優先すべきはサンチョではないとみている。

 得点のクラブレコードを保持する男が、「盟主再興」を目指すユナイテッドに必要と考えるのは、トッテナムのハリー・ケインのようなCFだ。

 英紙『Daily Mail』によると、ルーニーは、英紙『Times』のコラムで、「サンチョはトップクラスの選手だが、ユナイテッドが彼を最優先にしているのは変だと思う。どうしてすでにいるタレントに似た選手に1億ポンド(約140億円)近くを払おうと考える?」と疑問を投げかけた。

「自分なら、その1億ポンドは、ケイン獲得を目指すのに使うね。確かにトッテナムからケインを引き抜くのは難しい。不可能かもしれない。だが、ユナイテッドは常に本当のベストプレーヤーを狙う努力をすべきクラブだ。そしてケインはまさにオレ・グンナー・スールシャール監督が必要としている選手だよ。昨年にユナイテッドが逃したアーリング・ハーランドもそうだね。純粋な9番が必要なんだ」

 そんなルーニーの言葉が影響したのかもしれない。公共放送『BBC』や衛星放送『Sky Sports』、米スポーツチャンネル『ESPN』などの各国メディアは10月3日にユナイテッドがフリーとなっているエディンソン・カバーニを獲得すると報じた。

 契約満了でパリ・サンジェルマンを退団したカバーニは、レアル・マドリーやバルセロナ、アトレティコ・マドリー、ユベントス、ベンフィカなど、数々の名門クラブとの契約が取りざたされたが、いずれも実現に至らなかった。

 これまでは高額サラリーが契約の妨げになったと言われてきたが、『BBC』はユナイテッドが支払うのは「現チームの範ちゅう内の金額」と報じている。そのためパフォーマンスとサラリーのバランスが騒がれたアレクシス・サンチェスの二の舞になることはないと考えているようだ。
 
 また、ユナイテッドはカバーニと1年契約に1年の延長オプションが付帯する契約を交わすようだ。現在33歳のカバーニだが、ユナイテッドは年齢に懸念を抱いていないと報じられている。34歳で入団し、ヨーロッパリーグ優勝などタイトル獲得に貢献したズラタン・イブラヒモビッチのようなインパクトを残す期待をしているのかもしれない。

 一方で、ユナイテッドは、サンチョも諦めたわけではないようだ。『ESPN』は、10月5日の移籍市場最終日まで、ユナイテッドはサンチョを狙い続けると報道。そのほかに、バルセロナのウスマンヌ・デンベレやセビージャのルーカス・オカンポスも候補と指摘されている。

 だが、デンベレについては、ロナルド・クーマン監督が「彼はバルセロナの選手だ。(将来は)本人の考え次第だよ。彼とは話していない」と述べている。

「前線の競争は激しい。多くのクオリティーある選手たちがいるんだ。(現時点で)アンス・ファティはデンベレの前にいる。選手は満足でなければわたしと話せる。デンベレはわたしに何も言ってきていない。残るなら彼を計算に入れるし、プレーする機会を得るだろう」

 コロナ禍で異例の夏となった移籍市場も、いよいよ終わりを迎えつつある。土壇場でどんな動きがあるのか。大物獲得を目指すユナイテッドの動向を含めて、最後まで目が離せない。

構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部