いわばサブメンバー主体のチーム構成で湘南(10月4日のJ1第20節)を下し、その3日後のルヴァンカップ準決勝ではベストの布陣で難敵の川崎を2−0と撃破。選手とスタッフが一丸となって手にした2連勝によってリーグ戦で2位浮上、ルヴァンカップでは決勝進出と、FC東京に良い風が吹き始めている。

 良い時のFC東京はなにより守備が堅い。森重と渡辺のCBコンビの働きはもちろん、中盤のセンターで激しい上下動を繰り返す安部、サイドのエリアを幅広くカバーするディエゴ・オリヴェイラの献身が堅守の原動力となっている。

 昨季までどちらかと言えば攻撃専念の色が濃かったD・オリヴェイラが、今季はひと味違う。4−3−3システムではウイング、4−4−2ではサイドハーフを担うブラジリアンは持ち前のオフェンス能力を発揮しつつ、守備にも奔走。何度も上下動を繰り返し、時には自陣エリア付近で相手からボールを奪う姿に新鮮さを感じるファン・サポーターも少なからずいるはずだ。
 
 変貌を遂げたD・オリヴェイラの動きの凄さは、TV中継ではおそらく分からないだろう。動きの量ではなく、質。速攻を仕掛けるタイミングで走り出し、カウンターを食らいそうな局面ではすっと相手に身体を寄せてその攻撃を遅らせる。その駆け引きが絶妙だということを知るためには現地観戦をお勧めしたい。

 FC東京が次に対戦するのは、好調のガンバ大阪。長谷川監督にとって古巣対決となるこの一戦は上位対決(FC東京が2位、ガンバ大阪は4位)ということもあって、見どころ満載だ。上り調子の相手攻撃陣を抑えるうえで、D・オリヴェイラのパフォーマンスは大きな鍵になる。是非、注目してもらいたい。

構成●本誌編集部