現地時間10月18日に行なわれた宿敵バレンシアとのダービー(2−1で勝利)でも、久保建英に先発のチャンスは与えられなかった。

 エースのジェラール・モレーノが故障で離脱したため、4-1-4-1の右サイドハーフを担う代役として、久保の先発も期待されたが、ウナイ・エメリ監督が選んだのは、ライバルのサミュエル・チュクウェゼだった。

 この判断に関して、クラブの公式SNSには、「なぜクボをスタメンで起用しない?」「エメリには失望した」といった声が数多く寄せられた。

 だが、抜群のスピードを誇り、個で局面を変えられるナイジェリア代表MFの打開力は、チームの貴重な武器だ。ジェラールが不在の状況であれば、なおさらだろう。実際、このバレンシアでも、パコ・アルカセルが決めた先制点となるPKの獲得を演出するパスをアルフォンソ・ペドラサに出している。

 いずれにしても、指揮官の中で現時点での右サイドの序列は、久保よりチュクウェゼが上回っているのは間違いない。

 では、左サイドはどうなのか。ここまで全試合に先発出場しているモイ・ゴメスは、得点やアシストはゼロ。特別なインパクトを残していないようにも見える。

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 スペイン紙『AS』のハビエル・シレス記者は10月19日、「なぜクボではなくモイが使われるのか」と題した記事で、この疑問に回答している。

「世界的に才能を持つ選手でも、戦術的な理由から、定位置を確保できないことはよくある。ビジャレアルでは久保に対して起こっている」として、こう続けている。

「ジャラールの負傷も、チュクウェゼが恩恵を受け、クボには代役としての役割が与えられなかった。ビジャレアルの内情をよく知らない人は、日本人の状況を理解できないだろう」

 そして、「最近では『クボはモイ・ゴメスのサブになるような選手ではない』と議論する人がいるが、それはモイ・ゴメスのパフォーマンスを考慮していない」とし、スペイン人MFの軽視に異論を唱えている。

「バレンシア戦で見られたように、モイ・ゴメスはビジャレアルのボール支配を支えている。パレホと理解し合い(45回のパス交換)、(左SBの)ペドラサのためにスペースを空け、懸命に働き(10回のボール奪取)、常にフィールドの最後の3分の1で貢献している」

 シレス記者は最後に、「モイ・ゴメスのポテンシャルはクボほどではないかもしれないが、現在、エメリが要求していることに対してはより有効なのだ」と締めくくっている。

 久保がここまで左サイドで起用された試合で精彩を欠いているのも、理由のひとつだろう。だが、マジョルカとは比較できないほど質の高い選手が揃っているビジャレアルでそう簡単にポジションが取れないことは、本人も重々承知していたはず。右であれ、左であれ、競争を勝ち抜くしかない。

 まずは先発も予想されるヨーロッパリーグ初戦のシワススプル戦で、アピールしたいところだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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