緊急事態に陥ったレッズは、カルチョで研鑽を積んでいるサムライ戦士に助けを求めるかもしれない。

 去る現地時間10月17日に行なわれたプレミアリーグ第5節のエバートン戦で、リバプールの大黒柱フィルジル・ファン・ダイクが重傷を負ったのは周知の通りだ。相手守護神ジョーダン・ピックフォードと交錯したオランダ代表CBは、右膝の前十字靭帯を損傷。最大8か月の長期離脱を余儀なくされたのである。

 リバプールにとっては言わずもがなの緊急事態だ。守備の要を失ったユルゲン・クロップのチームは、直近のアヤックス戦ではボランチが本職のファビーニョを代役に起用するなど、苦しい台所事情を強いられている。

 当然、来る冬の移籍市場での補強の噂は囁かれているが、そのなかでイタリア・メディア『Football ITALIA』は、「セリエAにはファン・ダイクの代案になり得る4選手がいる」という特集記事を掲載した。

 英公共放送『BBC』にも寄稿しているインド人ジャーナリストのカウストゥバ・パンディ氏は、その記事の中で、ニコラ・ミレンコビッチ(フィオレンティーナ)、メリフ・デミラル(ユヴェントス)、ミラン・シュクリニアル(インテル)とともに、ボローニャで活躍している冨安健洋の名を挙げた。

 昨夏にイタリアへ渡って以来、日進月歩で成長を続ける日本代表CBについて、パンディ氏は、「セリエAでも知られざる宝石の一人だ」と太鼓判を押した。

「トミヤスはイタリアでプレーしている若手DFの中でもトップレベルだ。シニシャ・ミハイロビッチ率いるボローニャは、この日本人を2019年夏に900万ユーロ(約11億円)ほどで迎え入れた。その時点でもすでに掘り出し物と言われていた。仮にここから転売するとしたら高額での売却は確実だろう」
 
 さらに同氏は、冨安が右SBから本職のCBへコンバートされた今シーズンもしっかりとレギュラーに定着していることを紹介。そのうえで、「この日本人は足下の技巧やパス精度でも評価されている」と絶賛した。

「トミヤスはセンターバックでありながら、効果的なパスを通すことでも知られている。今シーズンは90分あたりで敵陣での効果的なパスを24本通しており、その成功率も75%に迫る。ボールポゼッションがそこまで高くない今のボローニャで、この数字は驚異的なものであり、彼の攻撃面での貢献度も高さを示すものだ。ヨーロッパのビッグクラブにとっては、他の若手スターに比べれば、安価で獲得できる逸材かもしれない。だが、近い将来にスターへなるための資質をすべて備えている」

 今夏にはクラブが断ったとはいえ、ミランからオファーを受けた冨安。カルチョで存在感を示す若武者の次なる舞台は、プレミアリーグになるのかもしれない。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部