急失速である。サブメンバー主体で湘南を破り、続くルヴァンカップ準決勝で川崎を下すまでは良い流れだったが、10月10日にホームでG大阪に敗れると、3−1で勝利した清水戦を挟んで同18日の横浜FC戦からリーグ戦で今季初の3連敗。直近の2試合は横浜に4失点、柏には3失点と頼みの守備陣もピリッとしない状況だ。

 ルヴァンカップ決勝の前哨戦となった柏とのホームゲームはスコア(1−3)だけではなく、内容も完敗の試合だった。とにかくミスが多く、決定機も少ない。ざっくり言えば、柏の堅守をなかなか崩せない一方で、あっさりと失点を重ねてしまうような展開だった。

 そこで気になるのが、再び柏と戦うルヴァンカップ決勝でFC東京に勝機はあるのか、という点だ。先の柏戦のように先制されると、FC東京は滅法弱い。今季の公式戦で先制された16試合の勝率は約19パーセント(3勝5分8敗)というデータからも、それは分かる。一方で先制した15試合の勝率は約93パーセント(14勝1敗)。要するに、堅守をベースに耐え凌ぎつつ、先にゴールを掠め取ってペースを握るのが、いわゆる必勝パターンなのである。
 
 では、どうやってそういう展開に持ち込むか。肝は前線からのプレス。10月28日の柏戦では前線からのプレスがあまり効いておらず、その結果、マークの受け渡しも上手くいかなくて、柏の速攻に手を焼いた。

 リーグでゴールを量産中のオルンガに加え、司令塔の江坂、テクニシャンのクリスティアーノを完璧に封じるのは正直、難しい。引いて守るようなシチュエーションでオルンガにマークを集中させれば、江坂やクリスティアーノあたりがフリーになる。オルンガをマンツーマンで抑えられるかと言えば疑問だ。やはり、肝はハイプレス。パスコースをできるだけ遮断し、オルンガや江坂を孤立させるような戦い方ができれば勝機は見えてくるだろう。

 リーグ戦で0−4と惨敗した川崎には、ルヴァンカップ準決勝でリベンジ。コンパクトな陣形のまま良いタイミングでプレスをかけ、川崎の持ち味であるパスワークを封じた結果、ほとんど決定機を与えなかった。

 川崎戦では「やられたらやり返す」を実践したFC東京。果たして、ルヴァンカップ決勝ではどんな戦いぶりを見せてくれるのか。チームの、そして長谷川監督の“修正力”が問われる。

取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)