リーグ戦で第40回目となった大阪ダービーは、1−1の引き分けに終わった。ホームで迎えたセレッソ大阪にとって、今季最多となる1万9553人の観衆の前で勝ちたかったのが率直な思いだろう。序盤からボールを保持しながら攻撃の形を作り、32分に先制されながらも、2分後に同点に追いつく。その後も決定機を作り、後半の立ち上がりを除いては主導権を握り続けるなど内容でG大阪を上回っただけに、勝点3を掴めなかった悔しさが残った。

 互いが気持ちを見せ合ったダービーを制することができず、2位G大阪との勝点3差は縮めることはできなかった。ただ、リーグ戦はまだ8試合が残されており、2位以内に与えられる天皇杯の出場権を獲得できる可能性は十分に残されている。実際に主将の清武弘嗣も「ポジティブに捉えている。あと8試合あるし、今日みたいにコンセプトをしっかり持った戦い方をすれば、上に行けると思う」と試合後に口にしている。

 その「ポジティブ」な要素のひとつが、チームとして理想に近い試合運びができたことに加え、台頭してきた豊川の存在が挙げられる。前節の浦和レッズ戦に続き2試合連続スタメンとなった背番号32は、34分にFKからのこぼれ球を頭で押し込んで同点弾をマーク。横浜F・マリノス戦、浦和戦に続く3試合連続得点で、計3戦4発とゴールを量産している。

 この大阪ダービーでは、序盤から徹底的に最終ラインの背後を狙い続けた。
 
「キヨくんや(柿谷)曜一朗くんは(味方が)動き出せばパスを出すことができる。見ないままでも、動き出すことを意識している」

 その言葉通り、誰よりも早く動くことで、清武のパス、そして丸橋のクロスなどから好機を迎えている。相手にしてみれば集中力を切らすことができない厄介なタイプで、かつゴール前にも恐れることなく飛び込んでくる。疲れを考慮されたのか63分での途中交代となったが、まだプレーを見ていたかったサポーターは多かっただろう。

 昨オフにベルギー1部オイペンから完全移籍で加入。「日本に帰ってきた1年目は凄く大事なシーズンになる」と意気込んでいたが、加入後公式戦初ゴールを決めた8月5日のルヴァンカップ浦和戦で右膝を負傷し、完治までに2か月近くを要した。大きなインパクトを与えたのが、復帰2戦目となった横浜戦。66分から途中出場すると、芸術的なループシュートを含む2得点で勝利に貢献し、続く浦和戦からスタメンに抜擢された。

 高さはないものの、清武らのパスセンスを活かすスピードや裏抜けの速さは、チームに新たな攻撃パターンをもたらしている。加えて、誰よりも大きな声、そして周りを鼓舞するファイト溢れるプレースタイルは、水沼宏太が横浜に移籍してからチームに足りなくなっていた部分でもある。残り8試合。2位の座を奪い返すためにも、豊川の存在は欠かせない。

構成●サッカーダイジェスト編集部