冨安健洋が所属するボローニャは、セリエAで失点を重ねている。昨シーズンから39試合連続でクリーンシートなしという不名誉な記録を更新中だ。

 当然、守備陣にスポットライトが当てられている。1年目に右SBで活躍し、今シーズンから本職のCBに戻された冨安もそのひとりだ。右SBでのパフォーマンスが見事だっただけに、ポジション変更が正解だったかは常に騒がれている。

 11月5日付のイタリア紙『Gazzetta dello Sport』でも、「CBと右SBのどちらが良いのか?」との見出しで、冨安に焦点を当てた記事が掲載された。

 同紙は、「優秀で多才、ボローニャにリーダー」と冨安に対する賛辞も加えられた記事内で、「タケヒロの素晴らしい力は、鍵となるコンセプトを吸収し、それを実践できたことだ」と、日本代表DFの能力を称賛している。

 その一方で、「代表でCBだったのは事実だが、セリエAで完璧になるための道のりがまだ長く、多様であるのも本当のことだ」と、CBとしてはまだ改善の余地があると指摘。シニシャ・ミハイロビッチ監督が練習中に何度も止めて冨安を指導していることを伝えた。

 ただ、それは「今よりも強くするためであり、(指揮官は冨安が)リーダーになれると確信しているからだ」。そして、CB冨安の素質を信じるのはミハイロビッチだけではない。

 ボローニャOBのマルチェッロ・カステッリーニは、『Gazzetta dello Sport』で、「この上なく素晴らしいパーソナリティーとビルドアップの優れた才能を持つ選手」と絶賛し、「だから(CBで)悪くないと思う。ちょっとした欠点や手落ちは、あの年齢の選手が成長・成熟する過程の一部だ」と述べた。

「SBとして、シーズンを通じ、もっとずっとうまくやった。だが、CBとしてのパフォーマンスはさらに高いし、今後もそうなっていくと思う。異なる2つの役割をこなせるユーティリティー性が非常に重要であるという事実は変わらない」

 今夏のマーケットで冨安には、あのミランが関心を寄せた。今シーズン好調の名門は、冬も再び冨安を狙うのではないかと言われている。

 では、冨安はミランにふさわしい選手になり得るのか。この問いに、カステッリーニは「もちろんなれる」と答えた。

「正しく成長するだろう。もちろん、もしも移籍すれば、そのレベルでは実質的に何もミスできないし、何よりしてはいけないがね」

 今月5日、冨安は誕生日を迎え、22歳になった。そんな若武者の成長の余地は計り知れない。守備の国イタリアで、冨安はどこまで飛躍できるだろうか。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部