1月7日、第99回全国高校サッカー選手権大会・地区予選が各地で行なわれ、新たに10県で出場校が確定した。

 立正大淞南と大社が4年連続で対峙した島根決勝は、壮絶なPK戦決着となった。序盤から激しい攻防戦が繰り広げられ、ともに貪欲にゴールを狙う。前半20分、まず先手を取ったのは大社だ。高月のスルーパスで右サイドを打破した島貫がそのまま持ち込み、鮮やかにゴールを陥落した。後半に入って圧力を強めた立正大淞南ながら、重要な次の一点を奪取したのはふたたび大社。11分にゴール前の混戦から小川が豪快に蹴り込んで2−0とした。

 ここから圧巻の反攻を仕掛けたのが立正大淞南だ。後半30分に右サイドのクロスを古山が豪快なダイビングヘッドで合わせて1点を返すと、終盤はパワープレーを徹底。そして迎えたアディショナルタイム1分、ゴール前の混戦から矢野が劇的な同点ヘッドを叩き込み、試合を振り出しに戻した。雨中の名勝負は延長戦でも勝負が付かず、運命のPK戦へ突入。ひとり外した立正大淞南に対して大社は5人全員が決め、総力戦にピリオドを打った。5年ぶり10回目の選手権切符だ。
 昨年ベスト4の帝京長岡が難関を突破した。新潟明訓との新潟決勝は立ち上がりから中盤でのせめぎ合いが続いたが、前半24分に左サイドを攻略して最後は廣井がゴールをゲット。3分後には右サイドからのクロスを葛岡が見事に合わせてリードを広げ、試合を俄然優位に進めた。後半は守備陣が鉄壁ディフェンスを誇示し、新潟明訓の反撃をシャットアウト。そのまま2−0で勝利し、3年連続8回目の本大会行きを掴んだ。

 長野決勝は上田西と松本国際の顔合わせとなった。強風が吹き荒れた一戦、松本国際が短いパスを繋ぎながらのサイド攻撃で地上戦を仕掛けるのに対し、上田西はロングスローや長いパスから縦に速い攻撃と空中戦で応戦する。2年連続の同一カードとなった実力伯仲のバトルは0−0のまま80分間を終え、延長戦でもゴールは生まれずPK戦へ。先行の上田西3本目のキックを松本国際のGK矢口がストップし、松本国際が5−4で制した。2年連続4度目の本大会出場だ。

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 富山決勝でゴールラッシュを決め込んだのが富山一だ。ライバル水橋との一戦は拮抗した展開で推移したが、前半26分に右サイドで得たFKから女川がヘディングシュートを決めて均衡が破れる。さらに32分に吉倉が、37分には天野がゴールをねじ込んで、富山一が一気に畳みかけた。後半は水橋の攻撃を巧みにいなしながら1点を加え、終わってみれば4−0の快勝。6年連続31回目の出場だ。

 海星と四日市工が相まみえた三重の決勝は、序盤からやや押し込まれていた前者が先制点を奪う。前半26分、中村が右サイドから仕掛け、和田とのワンツーから左足を一閃。鋭いシュートでネットを揺らす。さらに後半3分に、左サイドからのクロスを10番の朴が左足で捉えて加点すると、その7分後にも見事な連携で敵陣を崩して中村がこの日2点目を奪取。一気にリードを広げる。終盤の四日市工の猛攻も防ぎ、3−0の快勝を飾った海星が、4年ぶり2回目の本大会出場を決めた。

 香川決勝では昨年覇者の大手前高松と、初めてファイナルへと勝ち進んだ坂出商が激突。試合は細かくパスを繋いで終始主導権を握っていた大手前高松が、後半18分に待望の先制点を挙げる。10番の正木がペナルティエリア右から自ら仕掛けると、角度のない位置から左足を振り抜きニアサイドに突き刺した。このゴールを最後まで守り抜いた大手前高松が1−0で凱歌を上げ、2年連続2回目となる全国への切符を手にしている。
 連覇を狙う鵬学園と名門・星稜が雌雄を決した石川決勝は、後者がセカンドボールをしっかりと回収して押し込む展開に。すると前半24分、主将・千葉のクロスボールのこぼれ球に反応したエース佐々木が右足で押し込んで先制に成功。さらに後半10分にも川本がヘディングで追加点を挙げ、後半19分に佐々木、終了間際にも伊藤と前田が得点を重ねて5−0の大勝だ。昨年の決勝で敗れたリベンジを果たした星稜が、2年ぶり29回目の本大会出場を決めた。

 福島は準決勝で尚志を破った学法石川が、勢いのままに頂点に到達した。聖光学院との決勝ではキックオフ直後からエンジン全開。前半6分に右CKから衣川がヘディングで先制すると、攻勢を強めて18分には右サイドからのクロスに倉島がファーに流れて頭で仕留め、2点目を奪う。後半は聖光学院の鋭い速攻に苦しめられる時間帯もあったが、竹沢が終盤に左足で3点目を決めて勝負あり。嬉しい選手権初出場を手繰り寄せている。

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 佐賀決勝は龍谷と佐賀東の宿敵対決。互いに自慢の攻撃力を前面に押し出し、ハイテンポな展開で鎬を削ったが、なかなかビッグチャンスに繋がらない。とりわけ後半は守備陣の粘り強い対応が際立ち、0−0のままスコアが動かなかった。

 そして迎えた延長前半のアディショナルタイム、ついに均衡が破れる。佐賀東はカウンターから3本のダイレクトパスを繋ぎ、最後は2年生の中山が冷静にゴールに流し込んだ。さらに延長後半3分にエース小屋が、同5分には中山が決定的な3点目を挙げ、瞬く間に勝負を決定づけた佐賀東。3年ぶりにライバルから覇権を奪還し、11回目の本大会行きを決めている。

 3年連続で同一カードとなった宮城決勝は、ここ2年と同様に仙台育英が聖和学園を下し、4連覇を飾った。開始1分に注目のドリブラー田代にいきなり先制点を許したものの、8分に佐藤のゴールですぐに同点に追いつく。そして、後半9分に田代のPKをGK高橋が好セーブで防いで流れを引き寄せると、同16分だった。再び佐藤が右サイドの角度のないところから豪快なシュートを突き刺し、逆転に成功する。このリードを守り切った仙台育英がライバル対決を制し、4年連続35回目となる冬の全国行き切符を手にしている。

[11月7日の予選決勝結果]
宮城:仙台育英 2-1 聖和学園
福島:学法石川 3-0 聖光学院
新潟:帝京長岡 2-0 新潟明訓
富山:富山一 4-0 水橋
石川:星稜 5-0 鵬学園
長野:松本国際 0(5PK4)0 上田西
三重:海星 3-0 四日市工
島根:大社 2(5PK3)2 立正大淞南
香川:大手前高松 1-0 坂井商
佐賀:佐賀東 3-0 龍谷

 11月7日時点で本大会出場を決めたのは16校。流経大柏、市立船橋(ともに千葉)、矢板中央(栃木)、東福岡(福岡)、京都橘(京都)などが予選決勝進出を果たした一方で、昨年度の覇者・静岡学園(静岡)が県準決勝で藤枝明誠に0−3で敗れ、連覇の夢を断たれた。ほかにも佐野日大(栃木)、前橋育英、桐生一(ともに群馬)、尚志(福島)、秋田商(秋田)、國學院久我山、駒澤大高、帝京(いずれも東京)、阪南大高、興国(ともに大阪)、野洲(滋賀)、立正大淞南(島根)、日章学園(宮崎)といった強豪・有力校が地区予選で涙を呑んでいる。

 明日11月8日は青森、岩手、群馬、福井、兵庫、山口、高知、長崎、宮崎、鹿児島の10府県で予選決勝が開催される。地区予選は来週11月15日にピークを迎え、16日にはオンラインでの組み合わせ抽選会を開催。21日の熊本決勝、28日の神奈川決勝を経て全代表校が出揃う。

 今年度の本大会は、例年駒沢会場で行なわれていた開会式と開幕戦は実施せず、大みそかに1回戦が一斉スタート。全国48の代表校が首都圏8会場に散らばって戦うレギュレーションは変更なしで、決勝は1月11日に埼玉スタジアムで行なわれる。注目の第16代応援マネージャーには、女優でフィギュアスケーターの本田望結さんが選出された。

構成●高校サッカーダイジェスト編集部

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