こちらの当てが外れてしまった。そのせいで、余計な気を遣わせてしまった。

 11月10日のオンライン取材に応じた上田綺世に訊いてみた――今季は右足のシュートの威力やパンチ力がこれまで以上に高まっている印象だが、感触はどうか?

「いや、僕的にはそんなに違いはない、ですね、はい。でも筋力は……まあ別にトレーニングをしたわけではないので、僕はそんなに、そういう感触はないですね。すみません」

 最後は笑顔まで見せる気遣いも。その言動に実直な人柄がうかがえる。

 前節の横浜戦は、2点を先行されながらも3点を奪って見事な逆転勝ちを収めた。反撃の口火を切ったのが上田だ。0-2で迎えた39分、土居聖真のロングフィードに反応。巧みなトラップから鋭いシュートを突き刺した。

 これで今季5点目。初先発となった5節・横浜戦(〇4-2)で2ゴール、15節・仙台戦(〇2-1)、33節・神戸戦(〇3-1)でそれぞれ1ゴールをマークしている。

 特筆すべきは、仙台戦と神戸戦の得点だ。マイボールにしてから、素早いステップで対峙する敵をかわし、シュートコースを空けて右足を思い切り振り抜く。放たれたボールは鋭い弾道でゴールを射抜いた。

 そんなシンプルでパワフルな一発が印象的で件の質問をしたわけだが、いずれにしても、力感あふれるフィニッシュは、まさにストライカーのそれと言っていいはずだ。
 また上田が得点した試合では、いずれもチームは勝利を収めている点も見逃せない。次節のホーム川崎戦でも、勝点3を呼び込むゴールを挙げられるか。

「今年に限りますけど、川崎に勝つ、それだけで話題になる。僕としても川崎戦で活躍するっていうのは、世間的にも、チーム的にも、すごく大きな影響を与えると思っているので、僕はチャンスかなと思います」

 首位を独走する難敵を相手に、自らの存在価値を証明するようなゴールを期待したい。

取材・文●広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)

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