[J1第30節]川崎3-1横浜/11月18日/等々力

【チーム採点・寸評】
川崎 6.5
ACLのスケジュールの影響で先立って行なわれた30節。横浜が退場者を出すまでの約40分は横浜とともに日本のトップとも言える素晴らしい見応えのあるゲームを展開。ただ、ここ2戦は1分1敗のチームは、退場者を出した相手に対してなかなかゲームを決めることができなかった。
 
それでも指揮官も認める“しぶとい戦い方”で試合終了間際にジェジエウの値千金の勝ち越し点、そして後半頭から登場し、左サイドで別格の違いを作り続けた三笘の1ゴール・1アシストの活躍もあり、見事に3-1で勝利。次戦のアウェー大分戦に勝てばリーグ最速優勝決定で、引き分け以下でも2位のG大阪の結果次第で優勝が決まる。まさに“王手”をかけた。
 
 
【川崎|採点・寸評】
 GK
1 チョン・ソンリョン 5.5
集中したディフェンスを見せ、攻撃陣のゴールを待った。ただ失点シーンではCKからのクロスに出るも相手との接触でボールに触れず、ファウルの笛もなく、背後で畠中に決められた。仲間想いで責任感が強い男とはいえ、味方を守るため、やや熱くなるシーンがあったのも反省材料か。
 
DF
13 山根視来 6
前半はエリキの対応に難しさを感じさせる部分もあったが、球際でよく戦った。数的有利に立った後半は高い位置をキープして攻撃に関与。
 
4 ジェジエウ 7.5
快足を活かして相手のカウンターを防ぎ、試合終了間際にはチームを救う勝ち越し弾!! その後の魂のシュートブロックを含めて勝利の立役者だった。本来ならMOMだが、三笘と悩み……。今回は敢闘賞としたい。
 
 
5 谷口彰悟 6
いつも以上に声を張り上げながら周囲を統率。フィードが味方に合わないシーンもあったが、チームを鼓舞する貴重な存在だった。
 
2 登里享平 6
後半は左サイドで組んだ三笘の突破力を活かせるように的確にフォロー。カウンターを受けた際、J・サントスとの競り合いでは分が悪い場面もあったが、終盤は良いクリアも。この日もシュートシーンはあったが、待望の今季初ゴールは生まれず。

MF
6 守田英正 5.5
セカンドボールを拾い、サイドにボールを散らす。もっとも失点場面では畠中に前に入られてヘッドを決められた。
 
25 田中 碧 5.5(HT OUT)
通常通りダイナミックに動きながらスペースを探し、守備では守田とバランスを取った。プレースキッカーも担い、横浜の守備を崩そうと試みる。相手GK高丘が退場するシーンのパスは彼が出した。ただハーフタイムで交代。不完全燃焼だったはず。

【J1第30節PHOTO】川崎3−1横浜|圧巻の等々力劇場!途中出場・三笘薫の1G1Aの活躍で川崎が優勝に王手!

 
MF
8 脇坂泰斗 6(82分OUT)
前節の鹿島戦でゴールを決めていた男は、縦横無尽に動き回り、気持ちの入ったプレーを披露。だからこそ、目に見える結果が欲しかった。
 
FW
19 齋藤 学 6.5(65分OUT)
右ウイングでスタートし、前半途中に左に回り、後半は再び右へ。両サイドを臨機応変にこなし、ドリブル突破も。40分には後方からのフィードに反応し、相手GKのハンドを誘って数的有利な状況を作り出し、53分には三笘のゴールにつながるクロスを送った。
 
16 長谷川竜也 5.5(HT OUT)
前節の鹿島戦で待望の戦列復帰を果たしたアタッカーは、まだ本調子とは言えないのか、従来のスピードとテクニックを合わせたドリブルを見せられた回数は限られた。どちらかと言えば、右に回った時のほうが存在感があり、相手GKが退場したシーンでは、ボールを奪うためのプレス役を担う。
 
9 レアンドロ・ダミアン 5.5(65分OUT)
熱く戦い、味方に強く指示も。オフザボールの動きやポストプレーも見せたが、シュート0本で交代を迎えた。
 
 
交代出場
MAN OF THE MATCH
MF
18 三笘 薫 7.5(HT IN)
得意の左サイドではもはや無双状態。テクニカルなドリブルで横浜守備陣を翻弄し、53分には先制点をマーク。2-1で迎えた後半アディショナルタイムの自陣低い位置から一気に持ち運んだロングドリブルは圧巻で、小林のダメ押し弾をアシスト。ゴールにはつながらなかったが、PKも獲得。素晴らしいパフォーマンスでジェジエウと迷うもMOMに選出。
 
MF
10 大島僚太 6(HT IN)
三笘とともに後半頭から登場。川崎のプレースタイルを体現する司令塔としてリズムを作り、惜しいミドルも放った。
 
FW
30 旗手怜央 6(65分IN)
仕掛けても相手にボールを奪われるなど、なかなか本来の動きを示せず。それでも90分のジェジエウのゴールは彼のクロスから。諦めずに必死にプレーした。
 
FW
11 小林 悠 6.5(65分IN)
自ら悔やんだように後半アディショナルタイムに三笘が獲得したPKを失敗。それでも数分後に三笘のお膳立てからゴール。復帰戦を自らの得点で祝った。
 
MF
14 中村憲剛 ―(82分IN)
最後の交代カードとしてピッチへ。1点が欲しい状況でも冷静にパスを味方に出し、スタジアムを煽って雰囲気を作る。チームを後押しし、ジェジエウのゴールにつながる右サイドの崩しに寄与。
 
監督
鬼木 達 6.5
前半は横浜の見事なパフォーマンスもあり、ゴールを奪えずとも、40分に相手が退場者を出すと、後半頭から三笘、大島を投入。その後も小林、旗手、中村と、豪華なベンチメンバーを次々にピッチへ送り、土壇場での勝利につなげた。
 
※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定するこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を及第点とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。
 
【チーム採点・寸評】
横浜 5.5
退場者を出すまでの40分は出色の出来。さらに10人になった後も一時、追い付き、90分まで1-1のスコアを維持したように各選手がハードワークし、隙あらばカウンターを狙った戦い方は実に気持ちがこもっていた。敗れただけに及第点とはいかないが、ACLに向けて一定の手応えを得られるゲームになったはず。
 
【横浜|採点・寸評】
GK
32 高丘陽平 5
ハイラインの裏をカバーするなど積極的な動きを見せていたが、40分に畠中がクリアし切れなかったボールに飛び出すも、ボールは手に当たりレッドカード。悔しい退場となった。

DF
27 松原 健 5.5
特に前半は攻撃時は中央に入りながら、味方を追い越して一気にゴール前に駆け上がるなど相手をかく乱する役割を果たす。後半も奮闘したが、三笘の対応には後手を踏み、パスミスも。

13 チアゴ・マルチンス 5.5
L・ダミアンとの力強いマッチアップを展開し、数的不利になったあとは自らボールを持ち出すなど工夫も。ただ終盤は疲労を溜めたせいか、失点とはならなかったが三笘にPKを与え、小林のゴールシーンでも三笘に股抜きから突破を許した。 
 
44 畠中槙之輔 5.5
高丘の退場につながるシーンではボールの処理を誤り、齋藤にアタックするチャンスを与えてしまった。59分には打点の高いヘッドで同点弾を奪い、マイナス分を挽回するも、T・マルチンスとともに、最後の最後で川崎にゴールを許した。

5 ティーラトン 6.5
前半は彼からM・ジュニオールへのパスルートが効果的で、横浜の攻撃を加速させた。59分にはCKから畠中のゴールをアシスト。

MF
6 扇原貴宏 5.5
前半は得意の中長距離のパスを前線に送り、3トップのスピードを活かそうと意識。10人で戦った後半はよく走ったが、三笘のゴールシーンではクリアを味方に当ててしまい、ジェジエウのゴールシーンでは、クリアし切れず、目の前で決められた。

8 喜田拓也 5(58分OUT)
「敗因は自分のパスミス」と試合後に振り返ったように、40分にはボールを相手に渡してしまう痛恨のプレーがGK高丘の退場につながった。ポゼッション時には最終ラインに落ち、SBが空けたスペースをカバーするなど動きは悪くなかったが……。「一本のパスミスが勝負を分ける。自分の責任だと思う」。
 
MF
9 マルコス・ジュニオール 6(82分OUT)
トップ下で上手くボールを引き出しながら、3トップとの良好な関係でチャンスに絡む。10人になったあとも守備にも献身的に走り、チャンスと見るや敵陣へ。足を痛めて交代か。貴重な存在だけにACLに不安を残す。

FW
18 水沼宏太 5.5(41分OUT)
右サイドで攻守に絡み、クロスも狙った。ただ高丘の退場を受けて、40分にGKオビと交代に。

37 ジュニオール・サントス 6.5
重戦車のようなドリブルでボールを持ち運び、川崎の守備陣にプレッシャーをかけた。10人でもチャンスを作れたのはエリキらと好連係の彼の力強いプレーがあったからこそ。

17 エリキ 6.5(82分OUT)
前半から抜群のスピードでゴールを目指し、後半はカウンターの先導役に。敵陣でボールを持たせれば怖い存在だった。よく守備にも走る。
 
交代出場
GK
31 オビ・パウエル・オビンナ 6(HT IN)
高丘の退場を受けて緊急出場。先制点を奪われたシーンは三笘にニアを抜かれ、計3失だけに及第点を付けるか迷うところだが、数度の好セーブも見せ、PKストップもあった。

MF
39 天野 純 5.5(58分IN)
先制点を奪われた後に投入され、チームは直後に同点に追いつく。守備のバランスを取りながら攻撃に出ようとしたが、川崎にボールを持たれる時間が長かっただけに、奏功しない場面も。

DF
16 高野 遼 ―(82分IN)
疲れが見えたティーラトンに代わってピッチへ。旗手からボールを奪ってカウンターを発動させるなど守備面で働いたが、勝ち越し弾は自らのサイドからクロスを上げられた。

FW
26 渡辺 皓太 ―(82分IN)
走り回って相手にプレスをかけた。ただ後半アディショナルタイムには三笘にスピードで持って行かれた。

FW
23 仲川輝人 ―(82分IN)
守備に走りながら、ボールを持てば速攻を目指した。しかし思うようにフィニッシュまでは持ち込めず。

監督
アンジェ・ポステコグルー 6
前半の戦い方は見事。それだけに11人対11人の状況であれば、どんな采配を見せていたか気になるところ。10人になってからも自分たちの武器を活かしつつ、勇敢に戦った。

※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定するこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を平均とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。
 
取材・文:本田健介(サッカーダイジェスト編集部)