今夏に世間を賑わせたアルゼンチン代表FWリオネル・メッシのバルセロナでの去就は、いまだ不明瞭なままだ。

 幾度となく批判の矢面に立ってきたバルサの10番は、この夏にサッカー専門メディア『Goal.com』のインタビューで「僕は人生のクラブと戦争はしたくない」と21年6月の契約満了時までの残留をひとまず明言。しかし、それ以降の契約延長交渉はいまだ進展しておらず、メッシの去就に関するあらゆる憶測はいまだ収拾がつかない状態だ。

 そうしたなかで、新天地の最右翼と見られてきたのが、マンチェスター・シティだ。かつてバルサで共闘したジョゼップ・グアルディオラが率いるプレミアリーグの猛者は、1億ユーロ(約125億円)とも言われるメッシの高給を支払える数少ないチームでもある。

 恩師のいるシティは、さらなる高みを目指すメッシにとっても、格好の挑戦の場となり得るが、やはりその交渉は一筋縄ではいかないようだ。現地時間11月22日に英衛星放送『Sky Sports』は、「シティはメッシと契約しない」と報じた。

 同メディアの取材に応じた“スペイン・サッカーのエキスパート”であるセムラ・ハンター記者は、エポックメーキングな契約が実現しない根拠を次のように語っている。

「シティはメッシ獲得に入札はしないと信頼できる筋が話していた。その情報に基づけば、現時点でそのドアは完全に閉まっている。理由は2つある。ずばり年齢と財政だ。年齢的にメッシは晩年に差し掛かっている。バルセロナの17年間で見てきたのとは違うメッシを引き入れることになるだろう。彼本人も『引退に近づいている』と口にしている。

 また、移籍金フリーで加わることができるとしても、財政面とは切り離せない。彼の賃金は天文学的な高さだ。年間で1億ユーロほど稼いでいる。我々が(新型コロナの)世界的流行の真っただ中にいる事実を考えれば、どのクラブにとっても大きな経済的負担になるだろう」
 
 さらに「誰もが経済面で打撃を受けており、財政的余裕のあったサッカークラブたちも例外ではない」と言い切ったハンター記者はこう続けた。

「この夏の移籍市場では大半のメガクラブが戦略を変えざるを得なかった。あのレアル・マドリーは1人も選手を獲得しなかったし、ほとんどのクラブが選手を売却しようとしている。そうした苦境にあって、1億ユーロという大金はシティにとっても賃金総額の面で大きな負担になる。

 もしも、メッシを獲得したいなら、給与の高い選手たちを売り払って調整を行なう必要がある。しかし、それは非現実的だ。それよりも彼らは若手選手の獲得や本当に必要なポジションの補強に投資するほうを好むだろう」

 現在33歳のメッシ。いまだその実力は世界屈指とはいえ、推定1億ユーロという天文学的な年俸は、コロナ禍にあってはシティも出し渋らざるを得ないのかもしれない。

 はたして、稀代のクラックを巡る去就騒動は、いかなる決着を見るのか――。今後もその行方から目が離せない。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部