2020年も残すところあとわずか。新型コロナウイルス感染拡大の影響で異例の状況が続くサッカー界だが、ここでは日本サッカーに精通する識者に、今年一年で顕著な活躍を見せた日本人選手の中から、ベストイレブンとMVPを選出していただいた。スポーツライターの飯尾篤史氏が選んだ“2020年の11人”の顔ぶれは――。

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 選んでいて、ちょっとした錯覚に陥った。まるで来年3月に予定されているワールドカップ2次予選のメンバーの選出でもしているかのような……。

 お題は2020年の日本人選手のベストイレブン。今シーズンの川崎が成し遂げたことを考えれば、欧州組と川崎の連合軍のようなメンバー構成になるのも当然だろう。リーグベストイレブンにも選出されたスーパールーキー三笘は、川崎サポーターに怒られてしまうかもしれないが、欧州でのプレーが楽しみになるほどのインパクトを残してくれた。

 とはいえ、三笘が自由に仕掛けられたのも、登里の攻守両面でのサポートがあったからこそ。“いぶし銀の働き”とは、この30歳(永遠の若手のイメージだから、もうこの年齢ということに驚いた)のレフティのためにあるような言葉だろう。

 チームと最終ラインをまとめたキャプテンの谷口彰悟、三笘がどれだけ騒がれようが、やはり攻撃の軸だった家長も文句なしの選出。他にも川崎からは、大島僚太、守田英正、小林悠と選びたい選手はまだまだいる。

 とはいえ、欧州組もこの1年、大きなインパクトを残してくれた。

 2019-20年シーズンからスペインに挑戦中の岡崎はウエスカを1部昇格に導く活躍を見せ、34歳となった今なお進化を遂げている。

 ヘンクの伊東はすでにベルギーリーグ内でウインガーとして確固たる地位を築いている。一方、フランクフルトの鎌田は日本代表に久しぶりに登場した、スルーパスの似合う正統派のトップ下。ドイツではゴール、アシストの数も増やし、10月、11月の欧州遠征で日本代表における序列も一気に高まった。

 ボローニャとマルセイユでそれぞれ主軸を張る冨安と酒井も、代表での活躍も合わせて、選出しないという選択肢はなかった。

 GKには欧州組でも川崎でもない東口を選んだ。ビッグセーブでG大阪を救ったシーンは数しれない。まだまだ代表レベルだということを証明したシーズンだった。

【画像】Jリーグアウォーズで表彰された11人は?
遠藤 航(シュツットガルト/MF)

 三笘とどちらにするか悩んだが、ドイツで評価を高める遠藤を最終的に選出した。2019-20シーズンにシュツットガルトの1部昇格に貢献しただけでなく、9月に開幕した新シーズンでもチームの中核を担っている。ブンデスリーガでツヴァイカンプフ(1対1)の最多勝利数を記録したのは、頼もしいのひと言。日本代表の欧州遠征で見せつけた攻守両面での存在感は、次期リーダーの誕生を思わせるものだった。

文●飯尾篤史(スポーツライター)