吉田麻也(サンプドリア/イタリア)――60点(及第点の出来)
【2020-21シーズン成績】
セリエA=11試合・0得点・1アシスト
コッパ・イタリア=2試合・0試合・0アシスト

 開幕2試合でまさかの先発落ちとなったものの、3節にスタメンの座を勝ち取ると、最終ラインの中心としてフィオレンティーナ、ラツィオ、アタランタという難敵相手の3連勝に貢献。そこからレギュラーとしてプレーしたが、9節でハーフタイムに交代を命じられると、その後は出番なしや終盤投入などの屈辱も味わった。

 2020年最後のサッスオーロ戦では、驚きの右SB起用でアシストをマークし、地元メディアから「十分納得のパフォーマンス」という評価を受けた。「序列を見直すべき」とクラウディオ・ラニエリ監督の起用法を疑問視する声があるように、出場した試合では及第点は十分に与えられるパフォーマンスを披露している。

冨安健洋(ボローニャ/イタリア)――70点(よくやった)
【2020-21シーズン成績】
セリエA=14試合・1得点・0アシスト
コッパ・イタリア=2試合・0試合・0アシスト

 昨シーズンの主戦場だった右SBから本職のCBへのコンバートされた今シーズンは、インテルのFWロメル・ルカクにフィジカル勝負で圧倒されたように、1対1の対応に課題を残す部分はあるものの、シニシャ・ビハイロビッチ監督の信頼が揺らぐことはなく、ここまで公式戦全16試合にフル出場。右SB、さらに左SBでも起用され、現地メディアから「疲れ知らずの何でも屋。アンタッチャブルで、シニシャにとって素晴らしいジョーカー」と評されるなど、そのポリバレントな能力は称賛を受けた。

 久々の右SBで先発した年内最後のアタランタ戦で、見事な動き出しから今シーズン初ゴールを奪ったことで、再コンバートを推す声もあるが、指揮官がどんな決断を下すか。いずれにしても“トミー抜き”の最終ラインは想像できない。
 
長谷部誠(フランクフルト/ドイツ)――60点(及第点の出来)
【2020-21シーズン成績】
ブンデスリーガ=9試合・0得点・0アシスト

 リベロとして開幕からフル出場していたが、8節から4試合連続でベンチを温めた。突如として出番を失ったのは、「誠がいなくてもプレーできるようにならなければならない」と考えるアディ・ヒュッター監督が、将来を見据えた起用を優先しているから。事実、来月で37歳になるブンデスリーガ最年長選手の代わりに、先発チャンスを得たのは21歳のエバン・エンディカだった(同時にマルティン・ヒンターエッガーが左CBからリベロへ)。

 依然としてライン統率やカバーリング、ビルドアップの質は高いものの、かつてのように不動の存在ではなくなったベテランが年明けからどう巻き返していくか。また、フランクフルトとの契約が切れる来夏以降もキャリアを続けるかどうかの決断にも注目が集まる。

室屋成(ハノーファー/ドイツ)――60点(及第点の出来)
【2020-21シーズン成績】
ブンデスリーガ2部=12試合・0得点・0アシスト
DFBポカール=2試合・0得点・0アシスト

 3バック採用時はベンチスタートになるなど完全なレギュラーとは言いがたいが、プレシーズンの途中に加わった新戦力としては十分な出番を得ている。主戦場は右SBで、6節グロイター・フュルト戦では左SBを務めた。

 戦術面の改善を求める声も聞かれるが、ボールに対する積極性や勤勉な姿勢が高く評価されている。年内ラストのリーグ戦だったレーゲンスブルク戦では、チーム最多4本のクロスを放つなど存在感を放つ。
酒井宏樹(マルセイユ/フランス)――60点(及第点の出来)
【2020-21シーズン成績】
リーグ・アン=14試合・0得点・1アシスト
チャンピオンズ・リーグ=6試合・0得点・0アシスト
 
 アンドレ・ヴィラス・ボアス監督が信頼する30歳は、今シーズンも定位置の右SBで奮闘。自身初のCLではグループステージ6試合すべてにフル出場し、過密日程のなかでリーグ戦も含めて全試合の先発する鉄人ぶりをみせつけた。
 
 それでも、及第点に留めたのは、攻撃面に関して物足りなさを指摘する声が少なくないから。シーズン後半は得点力不足をが課題のマルセイユで、ゴールに繋がる役割も期待される。

長友佑都(マルセイユ/フランス)――30点(不満が残る)
【2020-21シーズン成績】
リーグ・アン=8試合・0得点・0アシスト
チャンピオンズ・リーグ=2試合・0得点・0アシスト

 フリーで加入したベテランは、豊富な経験を活かして左SBジョルダン・アマビの控えとして期待された。だが、昨シーズンにガラタサライで登録外となり、後半戦を丸々プレーできなかった影響があるのか、本来のパフォーマンスをまったく発揮できていない。
 
 現地メディアで特に指摘されているのが、スピードの衰えと状況判断の遅さ。失点に関与するシーンが少なくなく、チームの不調もあってスケープゴートにされがちだ。契約は21年6月末までで、シーズン後半は文字通り正念場となる。
 
板倉滉(フローニンヘン/オランダ)――80点(とてもよくやった)
【2020-21シーズン成績】
エールディビジ=14試合・0得点・0アシスト
オランダ・カップ=1試合・0試合・0アシスト

 フローニンヘンの守備リーダーとして君臨している。強みは守備で先手を取れること。周りを動かしながら守備の陣形を整え、相手と対峙するときには自身の間合いに詰めている。十八番であるスライディングタックルは最後の手段であるが、冷静に対応できているため正確に相手の突進をストップ。その結果、前半戦をイエローカード0枚で終えることができた。

 ビルドアップは安定しているが、課題は縦に付ける回数や中盤へ上がった際の手数が少ないところ。それでも、堅守速攻型のチームの6位躍進に大きく寄与し、オランダ国内で評価を高めているのは間違いない。

中山雄太(ズウォーレ/オランダ)――60点(及第点の出来)
【2020-21シーズン成績】
エールディビジ=13試合・1得点・1アシスト
オランダ・カップ=1試合・0試合・0アシスト

 手応えと悔しさの複雑な感情が入り混じった半年だったのではないだろうか。第3節から11試合連続スタメンで出場し、CB、左SB、ボランチ、左インサイドハーフのポジションをポリバレントにプレーしたことは高評価だ。

 しかし、主戦場とするボランチでは、コンビを組むMFによって出来が左右された。とりわけズウォーレと同等、もしくはそれ以下のレベルのチームとの対戦で、守備的な選手とドイスボランチを組んだときに物足りなさが残った。フォルトゥナ戦ではハーフタイムにベンチへ下げられたのは、その一例。次のADO戦(2−0の勝利)では83分から出場するとアシストを記録し、悔しさを晴らして年内のスケジュールを終えた。
ファン・ウェルメスケルケン・際(ズウォーレ/オランダ)――70点(よくやった)
【2020-21シーズン成績】
エールディビジ=14試合・0得点・2アシスト
オランダ・カップ=1試合・0試合・0アシスト

 全試合フル出場で前半戦を終えた。ウイングバックのように右サイドライン際をアップダウンし、ビルドアップで落ち着きを発揮しながら、アタッキングサードでは相手の脅威になり続けた。とりわけ、11月28日のVVV戦のアシストは圧巻。自陣で相手ボールを奪ってから60メートルの長駆ドリブルでチャンスを作った。「際はズウォーレの秘密兵器」という声もあがるほど、チームにとって欠かせない存在になっている。

 守備に改善の余地をまだまだ残し、スタミナ切れでプレスバックが疎かになる時間帯もある。それでも、現時点では攻撃面での長所が勝っている。

菅原由勢(AZ/オランダ)――60点(及第点の出来)
【2020-21シーズン成績】
エールディビジ=9試合・1得点・1アシスト
オランダリーグ2部=3試合・0得点・0アシスト
ヨーロッパリーグ=3試合・0得点・0アシスト
チャンピオンズ・リーグ予選=2試合・0得点・0アシスト

 11月までは出場機会に恵まれず苦しい時期を過ごしたが、12月のパフォーマンスと結果にフォーカスすれば、70点に値するプレーを見せた。高速循環でボールを回すAZの中でも、ビルドアップ時に披露するボール扱いの落ち着きやアイデア、実行力は高いレベルにある。

 攻撃参加では単騎突破に改善の余地があるが、味方との呼吸を合わせながらスペースを突くことでゴールとアシストを記録。その活躍がチームの復調の時期と重なったことも心象がいい。2021年はノルウェー代表の右SBヨナス・スベンソンとの本格的な競争の年になる。

安西幸輝(ポルティモネンセ/ポルトガル)――70点(よくやった)
【2020-21シーズン成績】
リーガNOS=9試合・0得点・0アシスト
ポルトガル・カップ=1試合・0得点・0アシスト
 
 第3節のスポルティング戦で今季初スタメンに抜擢されると、そこから8試合連続で先発出場。そのうち7試合でフル出場を果たし、完全にレギュラーの座を射止めた。左右のSBを器用にこなすマルチな能力は、戦力層が厚くないチームで重宝されている。
 
 とはいえ、チームは残留圏まで1ポイント差ながらリーグ最下位と低迷。それだけより結果が求められる後半戦は、ゼロに終わったアシストなど攻撃面での貢献にも期待したいところだ。
植田直通(セルクル・ブルージュ/ベルギー)――40点(やや不満が残る)
【2020-21シーズン成績】
ベルギー・リーグ=8試合・0得点・0アシスト

 開幕直後は7試合中6試合にフル出場する上々のスタートだった。しかし、連勝が途切れ、チームの調子が下降気味になったところから外れるようになった。現在5人いるCB陣の中で序列は、ジャン・マルスラン、ジェレミ・タバレルに続く3番手。しかし、親クラブのモナコの資本やルートを使って、活きの良い若手が次々に迎え入れる多国籍チームであるセルクルは、ルール上控えにベルギー人選手を置く必要があり、植田が押し出されるケースが多い。12月半ばのアンデルレヒト戦では、後半から出た直後にファインプレーもあっただけに、競争に打ち勝ちたいところだ。

松原后(シント=トロイデン/ベルギー)――40点(やや不満が残る)
【2020-21シーズン成績】
ベルギー・リーグ=5試合・0得点・1アシスト
 
 チームに本職の左SBがいなかったこともあり、1月に即戦力として加入した。今季は第2節のアンデルレヒト戦で初先発。チームは1−3で敗れたものの、得意の左足でアシストを記録するなど、攻撃面で非凡なものを見せ、しばらくの間レギュラーに定着した。

 しかし、敵のサイドアタッカーに対し、なかなか懐に飛び込めず後退りを繰り返してしまうなど守備が課題となり、個の力を発揮しきれず。緊急補強したリベラト・カカーチェが第7節にレギュラーの座をつかんで以降、招集メンバーからも外れてしまった。12月26日のスタンダール・リエージュ戦で久々にベンチ入り。シーズン後半で巻き返せるか。
川島永嗣(ストラスブール/フランス)――70点(よくやった)
【2020-21シーズン成績】
リーグ・アン=9試合・12失点

 シーズン開幕の2試合で先発出場したが、その後はベンチが続いた。しかし、11月22日のモンペリエ戦でスタメン起用されると、試合には2-3で敗れたものの、好セーブを連発。。とりわけ積極的に守備陣にコーチングする姿勢は、「ベテラン選手のあるべき姿」と称賛された。
 
 以降、7試合連続で正守護神としてピッチに立ち続けている。クリーンシートは2試合にとどまるが、負傷離脱したマッツ・セルスの穴を埋め、現地でも高評価を受けた。近年は出番が激減していた37歳が、意地をみせたシーズン前半といえるだろう。
 
権田修一(ポルティモネンセ/ポルトガル)――20点(失望した)
【2020-21シーズン成績】
リーガNOS=0試合・0失点
ポルトガル・カップ=0試合・0失点
 
 昨季の後半戦に守護神の座を射止め、迎えた新シーズンもレギュラーでの起用が見込まれたが、開幕から出場はなし。国内リーグ戦でベンチ入りしたのは3試合だけと苦しい時を過ごした。
 
 今月25日に22年1月までの期限付きで清水エスパルスへの移籍が決定。出場ゼロに終わった前半戦の鬱憤を晴らし、日本屈指の実力者としての矜持を、Jリーグの舞台で示せるか。
 
シュミット・ダニエル(シント=トロイデン/ベルギー)――50点(可もなく不可もなし)
【2020-21シーズン成績】
ベルギー・リーグ=9試合・12失点

 1月に負傷してから長く戦列を離れていたが、10月の代表マッチで好パフォーマンスを披露した流れで、第10節のスタンダール戦で今シーズン初出場。1対1のピンチを防げば、ハイボールの処理でも安定したプレーを披露し、強豪相手の完封勝ち(1−0)に大きく貢献した。

 しかし、次のヘンク戦でテオ・ボンゴンダにミドルレンジからロビングシュートを決められてから、調子が下降気味に。12月1日のムクロン戦(2−3)では対応可能だったシュートを3本決められてしまった。年末最後の2試合は好セーブを連発してチームの連勝に貢献し、ケニー・ステッペとの正位置争いに弾みを付けた点を考慮し、50点とした。