2020年の名場面を『サッカーダイジェストWeb』のヒット記事で振り返る当企画。今回は、いわゆる黄金世代の一員として、1999年のワールドユース準優勝という快挙を成し遂げ、日本代表にも選出された播戸竜二氏に伺った、現役時代に「最も衝撃を受けた選手」について再掲する。数々の名手とプレーしたストライカーが、「天才中の天才」と評したのは――。

記事初掲載:2020年6月29日

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 サッカーダイジェストさんの「歴代ベストイレブン」という企画で、セルジオ越後さんや色々な方が、「天才や」と言ってましたよね。やはり小野伸二です。一番の天才やと思いますよ。
 
 いまも、40歳であんなボールタッチできるやついるんか、というプレーを見せてますけど、初めて見たのは18歳、プロ1年目です。U−19の代表候補に選ばれて、伸二のリフティングを見た時、何をやっても勝てへんやつっているんやな、というのをまざまざと見せつけられましたね。

 ボールがね、伸二に触られると喜んでるというか、ボールの方から伸二に寄って行ってましたよ。俺と伸二がいて、例えば稲本(潤一)が俺にパスを出したとしても、なぜかボールが伸二の方に行くんです! そんな感じです、それぐらいボールに、サッカーに愛されているんですよ。

 なおかつ性格も良いし、周囲の事も考えてくれる。そういう人柄だからあのテクニックがあるのか、あのテクニックがあるからそういう性格になるのか分からないですけど(笑)。本当に天才中の天才ですよ、抜群ですね。

 中村俊輔さんとか、中村憲剛、小笠原(満男)、二川(孝広)とか歴代のすごいパサーと一緒にやりましたけど、伸二のパスが一番柔らかかったですね。ヒデ(中田英寿)さんは、キツ過ぎてトラップできなかった(笑)。伸二のパスはトラップせんでもボールが止まってくれるから。そういうパスを出してくれますから。ヤット(遠藤保仁)もそういう感じでしたが、伸二はさらにミリ単位で繊細なんです。

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 本当に彼の右に出る者はいないですよ。Jリーグも何年も経って、海外の選手たちも見てきてましたけど、一番上手い。まあ(ジネディーヌ・)ジダンくらいかな、ボールタッチで伸二より上手そうなの。(アンドレス・)イニエスタも上手いけど、リフティングやったら伸二の方が上手いな。

 なにせ98年6月のワールドカップに出てますからね。俺らは98年入団ですよ。高卒1年目でその年のワールドカップに出ることなんて、ほぼないわけじゃないですか。他にいますか、そんな年でワールドカップ出てるやつなんて。香川真司も2010年のワールドカップにはメンバー入りできなかったじゃないですか。この時、21歳ですよね。小野伸二は18歳でワールドカップに出てますから。

(同じ世代の)韓国代表のイ・ドングクも98年のワールドカップに出てますよね。彼はこの前、41歳でコロナ後の再開試合でゴールを決めました。伸二と同じ。すごいやつは、いつになってもすごいんです。

取材・文●江國 森(サッカーダイジェストWeb編集部)
協力●DAZN