基本フォーメーションは、4−3−3。A代表と同様、高い位置からのプレスで相手ボールを奪い、素早い攻守の切り替えからゴールを狙う。

 欧州のクラブが選手を供給すれば、という前提になるが、守備の中心はリャンコ(トリノ/23歳)。屈強で状況判断に優れ、パス供給能力も高い。中盤は、攻守に貢献するブルーノ・ギマラエス(リヨン/23歳)が軸。チームリーダーの一人で、A代表のチッチ監督も将来を期待する逸材だ。

 攻撃は、マドリーからドルトムントにレンタル中のMFレイニエール(18歳)が組み立ててCFマテウス・クーニャ(ヘルタ・ベルリン/21歳)が決める。前者は危険なスペースを見つける嗅覚に優れ、決定力も高い。後者は、大柄ながら敏捷で技術が高く、どこからでもシュートを放つ積極性が魅力だ。

 攻撃陣では、すでにA代表にも招集されているロドリゴ(19歳)とヴィニシウス・ジュニオール(20歳)の両快速ウイング(いずれもレアル・マドリー)、サイドとトップができるリシャルリソン(エバートン/23歳)、精巧なパスを繰り出すMFルーカス・パケタ(リヨン/23歳)らが五輪世代だが、その中で誰を招集できるか。

 オーバーエイジ枠を使うポジションとしては、GK、CB、中盤が考えられる。CBとアンカーがこなせるA代表の主力マルキーニョス(パリ・サンジェルマン/26歳)、CBロドリゴ・カイオ(フラメンゴ/27歳)、ベテランGKウェベルトン(パルメイラス/33歳)らリオ五輪経験者の力を借りたいところだが、高度な技術と優れた状況判断でA代表でも攻撃の主力となっているMFエベルトン・リベイロ(フラメンゴ/31歳)を選んでも面白い。

 このチームの強みは、攻撃力。持ち味が異なる選手が揃っており、泥臭く点を取る姿勢もある。ただし、両SBが攻め上がった際に背後を突かれてピンチを招くことがある。

 アンドレ・ジャルジーネ監督は、インテルナシオナウ、サンパウロといった名門クラブの下部組織の監督を歴任した41歳。厳しくも人間味あふれる指導で、若い選手からの信頼が厚い。2019年4月、ブラジルU−23代表監督に就任し、6月のツーロン国際大会で優勝。2020年初めの東京五輪南米予選ではやや苦しんだが、最終戦でアルゼンチンをクーニャの2得点などで3−0と下して出場権を獲得した。

【動画】ブラジルの五輪代表候補クーニャの超絶テクニック
 
 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、昨年の前半は全く強化試合を組めなかった。そんななか、11月にエジプトで行なわれた国際トーナメントに招待され、韓国にクーニャ、ロドリゴ、レイニエールの得点で3−1と快勝。地元エジプトとの試合でもクーニャが先制点をあげたが、守備のミスから1−2で逆転負けを喫した。

 国内では、リオ五輪に続いての連覇を期待されている。しかし、4年前は自国開催ということで23歳以下のベストメンバーを収集でき、さらにオーバーエイジ枠でネイマール(当時バルセロナ)、MFレナト・アウグスト(北京国安)らA代表の主力を加えることができた。しかし、今回は状況が異なる。

 オーバーエイジ枠を含めて、最終的に誰を招集できるか、そして大会前の最終合宿でどこまで連携を高め、チームとしてのまとまりを生み出すことができるか。これらの点が、成績を大きく左右しそうだ。

文●沢田啓明