あらゆることが起きた試合――。使い古された表現だが、1月19日のコッパ・イタリア5回戦、ローマ対スペツィアの一戦は、まさにそんな試合だった。

 開始15分でPKを含む2点を献上したローマは、なんとか同点に追いつくも、延長前半早々にジャンルカ・マンチーニが2枚目のイエローカード、30秒後にパウ・ロペスが一発レッドカードで退場。9人での戦いを強いられた延長後半に2ゴールを許し、格下相手に敗退を余儀なくされた。

 さらに、ローマはあり得ない失態も演じてしまった。ロペス退場後、パウロ・フォンセカ監督は代わりのGKダニエル・フザートを投入したのだが、その時にもうひとり、ロジェール・イバニェスもピッチに送り出したのだ。問題は、これが6人目の交代だったことにある。

 イタリア・メディアによると、規則では延長戦突入で交代を行う「枠」は増えるものの、交代人数は最大5人で変わらないことになっている。ローマはこの規則に違反したのだ。そのため、仮に試合に勝っていたとしても、不戦敗扱いになっていた。

 キャプテンマークを巻いていたロレンツォ・ペッレグリーニは、フザートとイバニェスを投入する際、タッチライン際でフォンセカと相談していた。地元メディアは、この時にペッレグリーニが交代人数に関して確認していたと報じているが、その努力は水泡に帰した。

 試合後、フォンセカはこの件について「問題があったのなら、内部で話す」と述べるにとどまった。しかし、ローマの規則違反はこれが今シーズン初めてではない。ヴェローナとのセリエA開幕戦では、アマドゥ・ディアワラのカテゴリー変更を忘れ、登録ミスで没収試合とされている。
 

 度重なる失態に、格下相手の敗退、リーグ前節のダービーマッチで宿敵ラツィオに0-3で完敗し、緊張が漲っていたローマは、不穏な空気に包まれている。衛星放送『Sky Sport』は「オリンピコのクレイジーな夜」と伝え、伊紙『Corriere dello Sport』は「ローマの混迷」と報じた。

 もちろん、サポーターは激怒している。『Corriere dello Sport』によると、SNSではチームやフォンセカに対する怒りが相次いだ。

「またシーズンをぶち壊しにした。気質、少しの帰属意識もない選手たち」
「信じられない。今季はどん底まで落ちた。残留争うチームにこの敗北。恥ずかしい」
「恥じろ。ユニフォームの名誉を汚した。近年最悪の試合。恥ずかしいパフォーマンス」
「誇りと尊厳のないチームだ。お前らにこのユニフォームを代表することはできない。スタジアムにサポーターがおらず、ブーイングできないのが残念」
「監督はチームを失ったみたいだ。気質を引き出せていない。おまけにいつも交代失敗。試合を読むことができない。トリゴリアで再考(解任)が必要だ」

 監督交代も騒がれるローマは、ここから立て直すことができるのか。次戦は23日のセリエA前半戦最終節。奇しくも、オリンピコにスペツィアを迎える。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部