ノルマの「ACL出場権(リーグ3位以上)」を獲得するためには、物足りない陣容だ。いずれも昨季二桁得点の興梠慎三(右くるぶしを負傷も3月に復帰予定)とレオナルドを擁す前線と2列目には一定の戦力が揃う一方で、ボランチとDF陣には懸念が残る。

 ボランチは長澤和輝、エヴェルトン、青木拓矢と主力が流出。万能型の金子大毅を加えたが、近年は怪我がちな阿部勇樹と柏木陽介がフル稼働できるかは未知数だ。西野努スポーツダイレクターは今後の補強について「必要な時期に必要な補強をする方針は変わらない」と言葉を濁すが、さらなる戦力拡充が望まれる。また、DF陣も熟練SBの西大伍を加えたものの、橋岡大樹がシント=トロイデンへ移籍したことで、右SBのバックアッパーが不在となっている。

 さらに気がかりなのは、レオナルドが中国スーパーリーグ・山東魯能への移籍が濃厚と報じられている点だ。これが現実となれば、開幕時の最前線は杉本健勇の一枚のみ。さらなる補強が急務となりそうだ。

 新戦力はいずれも優れた戦術眼を持つタレントたちで、J1未経験のリカルド・ロドリゲス監督も、昨季徳島をJ2優勝に導いた手腕に、小さくない期待感がある。新戦力の融合とスタイル構築がスムーズに進めば予想をいい意味で裏切る可能性はあるが、いずれにしても現状では駒不足の印象は否めない。
 
■ポジション別戦力分析
FW
昨年から顔ぶれは変わらないが、興梠の離脱は気になる。レオナルドにも移籍の噂がつきまとうだけに、ここ2年貧打に喘ぐ杉本健勇の奮起に期待したい。

MF
4人が加わった2列目には、豊富なタレントが揃った一方で、ボランチの選手層は薄い。ここ2年は目立った活躍がなかった10番の柏木の奮起に期待(1.5列目での起用の可能性も)。

DF
手薄な右SBに百戦錬磨の西が加わったのは、なにより大きい。ただし、橋岡が海外移籍を実現させたことで、西のバックアップとともにCBの選手層にもやや不安が残る。

GK
サブふたりをレンタルで放出も、正守護神の西川は不動。18歳の鈴木は将来性抜群で、ベテランの塩田はピッチ外でも頼もしい存在だ。

監督
J1初挑戦とはいえ、徳島をJ2優勝に導いたロドリゲス監督は、実績面で前任の大槻監督を凌ぐ。新たなスタイル構築にも意欲的だ。

文●多田哲平(サッカーダイジェスト編集部)
※『サッカーダイジェスト』2月11日号(1月28日発売)

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