7年ぶりのトップリーグでの目標はJ1定着。平たく言えば、残留がミッションとなる。

 最大の懸念は監督交代だ。17年から指揮を執り、チームをJ1へ導いたリカルド・ロドリゲス監督が浦和へ。4シーズン積み上げたポゼッション戦術の再構築が必要になる。ダニエル・ポヤトス新監督はレアル・マドリーの育成組織やパナシナイコスなどを率いた実績はあるが、新型コロナの影響でチーム始動時に不在。来日スケジュールが未定と、不安は大きい。

 ただし、ほとんどの主力が残留し、戦力的なマイナスはない。これまで多くの選手を引き抜かれてきた歴史を覆した。人間関係や連係面の“貯蓄”はアドバンテージだろう。そこに、フランス1部のブレストからアルゼンチン人MFのクリスティアン・バトッキオを補強できたのは大きい。また、ともに世代別代表の常連である藤田譲瑠チマや宮代大聖ら有望株も獲得した。

 チーム全体の経験値不足は否めないものの、一丸となって戦おうとする姿勢には好感が持てる。
 
■ポジション別戦力分析
FW
昨季のチーム得点王・垣田裕暉をレンタル延長で慰留に成功するなど、主力の流出は免れた。宮代がブレイクできれば戦力値は高まるはず。

MF
浦和入りが報道された渡井理己や岩尾憲、小西雄大ら主力と契約更新し、東京VでMVP級の活躍を見せた藤田譲を補強。戦力値はアップした。

DF
新戦力はレンタル復帰の鈴木大誠のみで、J1経験が豊富なのは藤田征也くらい。昨季までのメンバーがJ1でどこまで戦えるか注目だ。

GK
セービングに加えビルドアップ能力も高い上福元直人が昨季に続いて正GKか。18歳の後東尚輝は先行投資の意味合いが強く大きな変化はない。

監督
4年かけてチームをJ1へ導いたロドリゲス監督の流出は痛手。ポヤトス監督はボール保持の戦いを踏襲できるが、日本では未知数だ。

文●柏原 敏(フリーライター)