[J1第1節]浦和1−1FC東京/2月27日/埼玉

 FC東京はJ1リーグの開幕戦で、浦和レッズと対戦した。

 昨季ルヴァンカップ王者が今季こそ目指すのは、悲願のリーグ制覇。目標達成に向けて意気揚々と埼玉スタジアムへと乗り込んだチームはしかし、終わってみればセットプレーでなんとか追いつき勝点1を持ち帰るのが精いっぱいだった。

 長谷川健太監督は、以下のように試合を振り返っている。

「難しい展開のなかで勝点1を持って帰れることは、結果としてポジティブに捉えたいと思っています。今日は内容的にも決して褒められた内容ではなかった。中3日でルヴァンカップ、そのあとリーグ戦と続いていきますので、しっかりとコンディションを整えて、また良いゲームができるように戦っていきたいと思っています」

「褒められた内容ではなかった」原因は攻撃の機能不全にある。ディエゴ・オリヴェイラ、レアンドロ、渡邊凌磨を3トップに配して臨んだものの、なかなか前線にボールが収まらず、迫力のある攻撃は鳴りを潜めた。

 試合後に「推進力がまったくなかったので、東京らしいサッカーができなかった」と反省の弁を述べた長谷川監督は、その原因を語る。

 ひとつ目は「外国籍選手のコンディションがまだ本調子ではない」点だ。エースのD・オリヴェイラも、昨季ルヴァンカップMVPのレアンドロも、トップフォームとは程遠く、途中から起用されたアダイウトンも自慢のスピードが見せられなかった。ただし、これはシーズンが進むにつれてコンディションが上がれば改善されるだろう。

 ふたつ目は浦和の献身的な守備がハマった点だ。「槙野(智章)と岩波(拓也)がハードワークしていた部分と、浦和のプレスバックが非常に素晴らしかった。最後まで落ちずに前線や中盤の選手のプレスバックが素晴らしかったので、簡単に東京の選手たちがプレーさせてもらえず、起点を作ることができなかった」と長谷川監督は、相手のブロックを称賛している。

 起点を作ることが推進力を出すひとつのポイントだという指揮官は、「前線の選手が少しタメを作ってくれると2列目、3列目の選手が上がる時間を作れる。中盤の選手がボールを落ち着かせられると、時間が作れる」と話し、ボールの落ち着きどころを作る重要性を説いた。
 そして3つ目は「今日は開幕戦で選手たちもいつもと違い、緊張もあったし、アウェイのゲームで気持ちもいつもと違った部分があった」点だ。開幕戦という独特の空気感が選手たちの身体を少なからず固くさせていたのだろう。指揮官は「冷静にプレーできない選手が散布されたので、内容的には致し方ないと思っています」と悔しながらに内容を受け入れた。

 一方で後半途中から永井謙佑や三田啓貴、田川亨介ら日本人アタッカーを次々に投入し、流れを変えたのは流石と言えた。

「途中から出た選手がよく同点まで持っていってくれた。あのFKの場面も亨介が頑張ってファウルを取り、そのリスタートのボールを三田が素晴らしいボールを入れた。それを森重(真人)が決めた。

 途中から出た選手がチームに活力を与えてくれた。難しい局面だったと思うけど、永井も前線からチェイスしてくれた。彼がプレーで引っ張ることによって、チームが少し先制されて落ち込んだ状態から顔を上げて、前向きになれた。途中から出た選手のプレーや気持ちがチーム全体に伝わったと思います。そういう意味では18人全員で勝点1を拾ったというゲームだったと思います」

 長谷川監督はそう語る。

 勝点1を拾った形のFC東京だが、目標達成のためには、持ち前の爆発力のある攻撃の復活は不可欠。百戦錬磨の指揮官の立て直しに期待したいところだ。

取材・文●多田哲平(サッカーダイジェスト編集部)