ソーシャルネットワークにおける誹謗中傷の被害は、世界の多くのサッカー選手に及んでいる。それは、ピッチでのパフォーマンスだけに起因するものではない。

 レアル・マドリーに所属するドイツ代表のトニ・クロースは、ともにワールドカップを戦ったメスト・エジルを批判したことで、一部から「ナチス」と中傷されたと明かしている。

 現在フェネルバフチェに在籍するエジルは、2018年W杯後にドイツ代表から引退した際、トルコにルーツがある自身に対する人種差別や敬意の欠如があったと主張した。これに対し、クロースはエジルの引退の仕方を「良くなかった」と批判。代表内に人種差別はないと反論した。

 この反エジル発言で、クロースは一部から罵倒されることになったという。スペイン紙『Marca』などによると、ドイツのシュタインマイヤー大統領の対談の中で、クロースは「ワールドカップ後にエジル(の引退)のやり方が気に入らないと言ってから、かなりの人からナチ呼ばわりされた」と話している。

「金髪で青い目。多くの人にとって、ぴったりだったんだ。自分はそれを乗り越えることができた。でも、だれもが偽のプロフィールに隠れ、ほとんど問題なく他人を中傷することができてしまっている」

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 政治的な問題もあって、エジルらトルコ系の選手には不満を抱く者もいる。デリケートな問題なのは確かだ。ただ、いずれにしても、自身の意見を述べたクロースを「ナチ」と呼ぶのは正しくないだろう。ドイツ人にとって「ナチ」と言われることの重大さは言うまでもない。

 サッカー選手に限ったことではないが、ネットの誹謗中傷問題は深刻化している。クロースのようにだれもが乗り越えられるとは限らない。一刻も早い問題の改善を願うばかりだ。

構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部