3年ぶりにタイトルを奪還したコパ・デル・レイに続いて、ラ・リーガでも29日のグラナダ戦(33節)に勝てば首位浮上となるチャンスを迎えるなど、ここにきて明るい話題が増えているバルセロナで、心配の種がひとつある。期待のホープ、アンス・ファティの状態だ。昨年11月に左膝の内側半月板の損傷で戦線を離脱してからまもなく半年が経過するが、いまだに復帰のメドが立っていない。

 現地紙『アス』によると、負傷直後に半月板縫合術を行なうも、回復状況が思わしくなかったため、今年1月に患部を再度縫い合わせる手術を実施。その結果、腫れは数か月前に比べれば引いたが、依然として負荷をかけたトレーニングをすると痛みがぶり返すという。

 そんな中、選択肢として浮上するのが半月板部分切除術。しかし、それには小さくないデメリットが伴う。というのも、半月板は膝の動きに際して膝関節を安定させたり、歩く、走る、ジャンプなどの衝撃を分散させるクッション的な役割を果たす、極めてデリケートな部位だからだ。

 これから長いキャリアが待っているアンス・ファティにとって、この半月板機能の温存を図ることが重要なのは言うまでもなく、逆に切除することになれば、長期的に見ると変形性膝関節症などの故障のリスクが高まる。
 
 実際、部分切除術は回避したいというのが本人、関係者の当初からの希望で、だからこそ縫合術を選択した。しかし、このまま回復の兆しが見えない状況が続けば、最後の手段を選択せざるを得ない。

『ムンド・デポルティボ紙』は、その決断のリミットは5月2日だと伝えている。切除術のメリットは早期復帰が見込めることで、アンス・ファティの場合もリハビリが順調に進めば、来シーズンのプレシーズンキャンプに初日から合流することも可能だという。

 開幕から好調を維持し、2年目の飛躍への期待が高まっていた矢先に怪我に見舞われ、いまなお試練の真っ只中にあるアンス・ファティ。しかし現地では、2015年12月に右脚の脛骨と腓骨を骨折する大怪我を負ったときと同様に、周囲のサポートも味方に、あくまで前向きに取り組んでいると伝えられている。

 いずれにせよ、今シーズン中の復帰はもちろん、EURO、そして東京五輪への出場はもはや絶望的と言っていい。

構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部