チェルシーは現地時間5月5日のチャンピオンズ・リーグ(CL)準決勝セカンドレグで、レアル・マドリーを2−0で撃破。2試合合計3−1で決勝進出を決めた。
 
 実はこのチェルシー、CLに限ると珍しい歴史を持っている。ファイナル進出の時は必ずシーズン途中に監督交代を経験しているのだ。
 
 クラブ史上初めて決勝の舞台に上がった2007-08シーズンはジョゼ・モウリーニョからアブラム・グラント、2度目にして初のビッグイヤーを掲げた2011-2012シーズンはアンドレ・ヴィラス・ボアスからロベルト・ディ・マッテオ、そして3度目となる今シーズンもフランク・ランパードからトーマス・トゥヘルへの監督交代を経て、CLファイナルに勝ち上がっている。
 
 2003年にロマン・アブラモビッチがオーナーに就いて以降のチェルシーは、指揮官がまったく安定しないクラブで(最長は第1次モウリーニョ政権の3年強)、監督交代自体は珍しいものではない。しかし、CL決勝進出がいずれも「ベンチが変わったシーズン」である事実は見逃せない。
 
 シーズン途中の監督交代はもちろんチームに何らかの問題を抱えたからで、様々な意味でどのクラブも本来は避けたいものだ。ただ、指揮官が変わることによってチーム全体が一気に良い方向に傾く、いわゆる「監督解任ブースト」が機能するケースがあるのも事実だろう。
 
 近年のCLの歴史を見ても、2015-2016のレアル・マドリー(ラファエル・ベニテス→ジネディーヌ・ジダン)、そして昨シーズンのバイエルン(ニコ・コバチ→ハンジ・フリック)が、監督交代シーズンに欧州王座まで駆け上がった。最終結果に前監督時代の成績も反映される国内リーグと比べて、カップ戦は一発勝負ゆえ勢いに乗れば制覇しやすい側面もあるだろう。
 
 1月にトゥヘルが監督就任して以降のチェルシーは、ここまで公式戦24試合でわずか10失点ととにかく守備が固い。ランパード時代のバランスの悪さや危うさが完全になくなった。ちなみに、トゥヘルは昨年末にパリSGを解任されており、2シーズン連続で異なるクラブを率いてCL決勝に進出した史上初の監督だという。
 
 チェルシーはマンチェスター・シティと戦う5月29日のCL決勝で、クラブ史上二度目の「監督交代→欧州制覇」を果たせるのか。要注目だろう。
 
構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部