[J1第21節]名古屋0-2鹿島/5月12日/豊田スタジアム

【チーム採点・寸評】
名古屋 4
試合後のコーチ、選手がともに反省の弁しか口にしない惨敗。シュート0本という珍事が示す通り、普段とはまったく違う守ることばかりの試合には闘う姿勢が欠けすぎた。

【名古屋|採点・寸評】
GK
1 ランゲラック 5.5
不運な形での失点を彼の責任にするのは酷だが、敗戦で2失点の部分を差し引いた評点。だがそれ以上に鹿島の決定機を防いだ場面も多く、本当は6点でも十分なプレーぶり。

DF
3 丸山祐市 5
いつもはチームを鼓舞するコーチングも、この日は審判の判定や相手に向けた言葉が多かった。集中できていない証拠で、実に彼らしくないパフォーマンスが多かった。

DF
4 中谷進之介 5
相棒と同様に相手や判定、時間をかけたプレーへの声が多く、こちらもチームが勝つためにという部分にもっと力を割いてほしかった印象。
 
DF
23 吉田 豊 5.5
守備の強度やオーバーラップの果敢さでチームを鼓舞していたが、低調なチームの中では逆に孤軍奮闘の感も出た。声よりも背中で見せる責任感も実らず。

DF
26 成瀬竣平 6(56分OUT)
常に前にパスを差し込んでいく積極性を出し、守備面での劣勢よりもその決断力のほうが好意的に映った。鹿島のプレッシャーにも堂々と向き合ったボールの持ち方はなかなかに豪胆。

MF
2 米本拓司 5(79分OUT)
ハードワークには頭が下がるが、やや空回りしたイメージも強い。相手のビルドアップを引っかけようとするあまり、逆を取られて自陣にスペースを作ってしまうことが多く、交代も納得か。

MF
15 稲垣 祥 5.5
前回対戦で決勝点を挙げた男は、今回は特に厳しい試合を強いられた。ボールを持ってもすぐに囲まれ、前への選択肢をあまり持てず。動きの重いチームの中では苦戦ばかりが続いた。
 
FW
9 山﨑凌吾 5(42分OUT)
前半のうちに交代を命じられた事実がパフォーマンスの悪さを象徴する。ポストプレーは潰され、空中戦の駆け引きでも相手に先手を取られ続けた。

FW
16 マテウス 5(56分OUT)
得意なはずの1対1の場面では鹿島の選手のほうが優位性を保っているように見えた。仕掛けの鋭さがなく、FKにもキレはなし。明らかにパフォーマンスを落としている。

FW
19 齋藤 学 5(56分OUT)
現在の名古屋の中ではアクセントとして重宝されている小気味よいタッチが、今日は鹿島のハイプレスの餌食にされた。ドリブルも囲まれ身動きが取れず、持ち味も出ず。

FW
25 前田直輝 5
サイドとトップを行き来しつつ、何とか流れを作ろうと試行錯誤。ビルドアップへの参加は周囲の反応も悪く、仕掛けてもフォローが少なく単発に終えた。
 
途中出場
FW
8 柿谷曜一朗 5.5(42分IN)
前線に収まりどころのない試合に何とか起点となろうと努力したが、収めることはできても援護がなく、孤立することがほとんど。高度な技術で前には出て行ったが、ひとりでは厳しい。

DF
17 森下龍矢 5.5(56分IN)
反撃の勢いを出すべく起用されたが、広がりが出てこない攻撃の中では持ち味のランニングプレーも不発がほとんど。

FW
11 相馬勇紀 5(56分IN)
仕掛ける姿勢はあったが、もっと仕掛けてチームを前に向かせてほしかったところ。選択肢があまり持てない試合では難しい点も多かっただろうが、だからこそ個人の力が出てきてほしかった。

FW
10 ガブリエル・シャビエル 5.5(56分IN)
停滞しきった攻撃に、それでも多少リズムを作ったのが背番号10のプレー。速さを出しつつボールを持つプレーで味方に時間を与え、ゲームメイク力を見せた。

DF
14 木本恭生 5(79分IN)
ボランチの一角として守備に就きつつ、攻撃の局面では前線のターゲットになるダブルワークを課せられた。しかし十分な姿勢が作れないなかでは攻撃面での高さはなかなか出せず。

コーチ
ブルーノ・コンカ 5
失点に落ち込んだチームを鼓舞すべく早めの交代策でメッセージを送ったが、調子が上がっていかない選手のプレーに「一つひとつのボールのところで勝てなければ、どんなサッカーを準備していても戦いにならない」とお手上げ。
 
[J1第21節]名古屋0-2鹿島/5月12日/豊田スタジアム

【チーム採点・寸評】
鹿島 7
攻守の連動性と球際の激しさ、途切れないハードワーク。それを支えるチームの一体感も素晴らしく、中2日続きの過密日程で、チーム力の底力を見せつけた。名古屋のシュートを0本に抑えた結果が、その充実の内容を証明する。

【鹿島|採点・寸評】
GK
31 沖 悠哉 6
前半のセーブ機会は前田直輝のオフサイドを除けばゼロ。杉岡の空中戦を狙ったフィードがとにかく有効で、時間の使い方、守備の統率の部分でも落ち着いた振る舞いを見せた。

DF
32 常本佳吾 6
堅実な守備かつダイナミックな攻撃のフォローアップで右サイドを分厚く構築。対面のマーカーがコロコロと変わるなかでも冷静さを失わず、強度を保ち続けた。

DF
39 犬飼智也 6.5
相棒の町田がかなり大きく上下動していたなか、カバーリングの仕事に勤しんだ。そしてセットプレーでバースデーゴールとなる先制点でチームにアドバンテージを与え、後半も堅守を維持した。

【動画】犬飼&杉岡の得点で鹿島が完勝。名古屋戦はハイライト
 
DF
28 町田浩樹 6.5
高さを生かしたのは最終ラインの守備だけにあらず。インターセプトを果敢に狙いつつ、ボランチのごときプレーエリアの高さで攻撃に厚みを加えた。後半はやや守備に引いたなかで、相手のパワープレーにも隙を見せなかった。

MAN OF THE MATCH
DF
5 杉岡大暉 7
前回対戦での低調なパフォーマンスから一転、対面の成瀬との空中戦をことごとく制して速攻の起点になり、足がつりながらも走り続けた後半には相手の心を折るダメ押しの得点まで。この試合に懸ける思いを最高の結果に反映させた。

MF
6 永木亮太 6.5 (88分OUT)
低めでゲームを作るD・ピトゥカを援護するように、運動量豊富に即時奪回の担い手となって躍動した。速攻の中では長短のパスセンスも発揮し、常に名古屋にとって嫌な存在であり続けた。

MF
21 ディエゴ・ピトゥカ 6
やや低めの位置からボールを握り、機を見て前線に送るフィードも柔らかく。プレーのリズムもハイテンポで、攻守に良いアクセントを付けていた。
 
MF
25 遠藤 康 6.5(53分OUT)
右サイドで吉田豊とのマッチアップも軽快に対応し、左右を問わないポジショニングで名古屋の守備陣を翻弄。速攻と遅攻の使い分けをボールの持ち方で伝達させる匠の技も。

MF
37 小泉 慶 6.5
トップ下というよりは、ひとりでインサイドハーフをやっているような強度の高さ。守備の第一歩、二度追い、ペナルティアエリアへの侵入とチームを助ける働きが多く、名古屋の選手たちに自陣で決して楽をさせなかった。

MF
7 ファン・アラーノ 6.5(70分OUT)
左サイドでプレーし杉岡の空中戦をしっかり攻撃へとつないでいった。攻守の切り替えも速く、高い位置での即時奪回にも貢献。ゆったりとしているようで、プレスバックの鋭さは大いに相手を苦しめた。

FW
8 土居聖真 6.5(53分OUT)
1トップは本職ではないが、空中戦にもめっぽう強く、持ち前のテクニックでMF的なストライカーのこなし方を表現。シュートはなかったが、与えられた仕事は完遂した。
 
途中出場
MF
13 荒木遼太郎 6.5(53分IN)
最前線とサイドを行ったり来たりし、前に出たい名古屋の最終ラインとの駆け引きも多く、得点機にも多く顔を出した。終盤には杉岡の得点を演出し、素晴らしいジョーカーぶり。

MF
27 松村優太 6(53分IN)
スピードを生かしたチェイシングと、技術の高いボールの持ち方で、時間を使いながら相手の最終ラインを脅かす良い駆け引きを見せた。

FW
18 上田絢世 6(70分IN)
25分ほどの出場時間でチーム最多の3本のシュートを放ち、決定機もそのうち2回。決められなかったが、切り札としての存在感は抜群に過ぎた。

MF
20 三竿健斗 ―(88分IN)
試合終盤を締めるとともに、最後まで前に出続けたチームを後押しする気合いのこもったプレーをピッチで表現した。

監督
相馬直樹 6.5
「出しきる試合をしよう」と選手を焚きつけ、素晴らしくハイテンションで強度の高い試合をアウェーで成し遂げた。今季初の3連勝は選手に感謝と言うあたり、モチベーターとしての手腕も光る。

※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定するこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を及第点とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。
 
取材・文●今井雄一朗(フリーライター)