東京オリンピックの開幕まであと2か月あまりとなった。森保一監督は6月の2試合を最終選考の場と据えているが、一足早いこのタイミングで、五輪代表に精通する識者に登録メンバー18人を予想していただいた。スポーツライターの飯尾篤史氏の見立ては?

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 チームの立ち上げとなった2017年12月のタイ遠征から3年5か月、歴代最長の活動期間となった東京五輪代表のチーム作りがいよいよ大詰めを迎える。

 この間、招集された選手は87名。オーバーエイジの3人を加えた90人から18人に絞り込むのは困難な作業だが、おそらく森保一監督の中では、本大会のメンバーリストがある程度、固まっているに違いない。

 ベースとなるのは3月のアルゼンチン戦のメンバーだ。

 GKはアルゼンチンとの2連戦でスタメンの座を分け合った大迫敬介(広島)と谷晃生(湘南)のふたりだろう。

 右サイドバックは、アルゼンチン戦でポジショナルなプレーが光った原輝綺(清水)が全治8週間の怪我を負ったため、オーバーエイジの酒井宏樹を招集するのではないか。酒井は言うまでもなくA代表で不動のレギュラー。マルセイユから浦和レッズへの移籍が決定的で、オリンピック出場への障害がなくなるのも大きい。

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 センターバックには冨安健洋(ボローニャ)とオーバーエイジの吉田麻也(サンプドリア)、A代表のコンビをそのまま起用したい。冨安はこのチームには2018年のトゥーロン国際大会しか合流できていない。それゆえ、3月末はA代表ではなく五輪代表に合流することが予想されたが、森保監督はA代表の日韓戦、ワールドカップ予選に招集した。それは、オーバーエイジとして吉田を招集する考えがあったからだろう。

 決定的な人材が見当たらない左サイドバックには、ボランチの中山雄太(ズウォーレ)をコンバートしたい。左サイドバックに入った中山が“偽サイドバック”として中盤中央に潜り込めば、ビルドアップの安定が期待できる。また、対角のロングフィードも蹴れるため、攻撃の幅が広がるはずだ。しかも、センターバックでもプレー可能な中山が左サイドバックに入れば、試合中の3バックへのスムーズになる、と良いこと尽くめだ。

 昨年10月、A代表のコートジボワール戦で森保監督は中山を左サイドバックで起用したため、五輪代表においてもコンバートは現実的だろう。

 バックアップには身長190センチの左利きのセンターバックである町田浩樹(鹿島)と、左右のサイドバックとサイドハーフをこなせる菅原由勢(AZ)を選出。町田は左サイドバックでのプレーも可能だ。
 
 ボランチは今やA代表の中心選手となった遠藤航(シュツットガルト)をオーバーエイジとして招集したいところだが、アルゼンチンとの第2戦で出色の出来を見せた田中碧を軸に、パートナーには田中と好連係を見せた板倉滉(フローニンヘン)が適任だろう。このポジションは中山や冨安もプレーできるため、オーバーエイジの招集は控えるのではないか。

 2列目のタレントは、このチームのストロングポイントだ。アルゼンチン戦で2試合連続トップ下で起用された久保建英(ヘタフェ)を中心に、右には堂安律(ビーレフェルト)、左に三笘薫(川崎)を起用。久保や堂安にアクシデントがあった場合には三好康児(アントワープ)が、三笘が出場できない場合には、相馬勇紀(名古屋)が控えている。
 
 センターフォワードには3人目のオーバーエイジとして大迫勇也(ブレーメン)を招集すると見る。2列目のタレントを生かすには、打ってつけの存在だろう。

 上田綺世(鹿島)と前田大然(横浜)はタイプの異なるスーパーサブだ。上田のワンチャンスを仕留める決定力と、疲れを見せた相手に追い打ちを掛ける前田のスピードは、大会が進むに連れて大きな武器となるに違いない。

 オーバーエイジとの融合にも問題はないだろう。19年6月のコパ・アメリカへは五輪代表+オーバーエイジの編成で臨んでおり、20年10月、11月の欧州遠征では東京五輪世代の選手7人がA代表に招集されている。A代表の中心である吉田、酒井、大迫に遠慮し、話しかけられないような選手はいないはずだ。

 反町康治技術委員長が常々語っている「1チーム2カテゴリー」の強化方針の成果を見せるときがきた。
 
文●飯尾篤史(スポーツライター)