一通り撮影を終えて、ピッチ上で写真の電送など諸々の作業をして、さて片づけて帰ろうかと思ったら、ロッカーに引き上げたはずの浦和の西川選手が姿を現わした。

 ホームで神戸に2-0の完勝を収めたこの日の試合では、控えメンバーのひとり。出番のなかった背番号1は、誰もいないピッチで黙々と走り始めた。

 しばらくすると、ポツポツと降り出してきたので、自分は荷物をまとめて控室に移動。自分が見ている間だけでも、西川選手は7、8周は走っていたか。

 ルーティーンなのかもしれない。ただ、J1で500試合以上に出場するなど長い間トップレベルで活躍するアスリートの神髄を見た気がした。プロとしての矜持を強烈に感じた。

 試合後にピッチを周回する時、ファン・サポーターに挨拶すると同時に、チームメイトにも笑顔で声掛け。味方の健闘を称えていた。

 スタメンを外れて悔しいはず、と勝手に想像してみる。でも西川選手は満面の笑みで、先発してクリーンシートを達成した若き守護神・鈴木選手と抱き合う。
 
 たとえ試合に出られなくても、腐らずに、チームの勝利を思いっきり喜び、次に向けた準備も怠らない。自分がどんな状況に置かれても、ピッチ内外でチームを支える。その姿勢は変わらないのだろう。ベテランとしての振る舞い――よく言われることだし、別に目新しくもない。でも、簡単にできることじゃない。

 奇しくも、西川選手がサブに回った後の3試合で浦和は3連勝。好調の要因は正GKが代わったから? そうかもしれない。西川選手がレギュラー時にも3連勝しているから、関係ないかもしれない。いずれにしても、西川選手のような存在がいること、“西川周作が西川周作であり続けること”のほうが、チームにとっては大きな財産だと思う。

取材・文・写真●金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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