5月24日に発表されたEURO2020に臨むスペイン代表のメンバーで、最大のサプライズがセルヒオ・ラモスの落選だった。

 怪我や新型コロナウイルスの感染が重なり、今年に入ってからは所属するレアル・マドリーでも、出場した公式戦はわずか5試合にとどまる。「コンディションを考慮した」というルイス・エンリケ監督の説明はもっともで、体調が万全なら、当然選ばれていたことだろう。

 それでも、ルイス・エンリケが代表の監督に就任して以来、両者の間にあった蜜月関係を考えれば意外でもあった。
 


 実際、代表戦の世界最多出場記録(184)の更新をサポートするために、コンディション不良を抱えていたにもかかわらず、今年3月の代表活動に招集(S・ラモスの代表キャップは180)。3試合プログラムされていたうちの初戦のギリシャ戦は前半だけで交代、欠場したジョージア戦を挟んで、最後のコソボ戦は3−1とリードし、試合の趨勢が決まっていた終了間際の5分間だけ出場と、一部でひんしゅくを買うほどの特別待遇をしていた。

 そのコソボ戦後のクールダウン時にふたたび負傷してしまったわけだが、そんな中、大手ラジオ局『オンダ・セロ』は人気番組エル・トランシストールの中で、この3月の共同生活の間にふたりの関係にヒビが入り、今回の落選に繋がったと報じている。

 思い起こされるのは、2006年W杯ドイツ大会終了後の、ラウール・ゴンサレスの代表落選を巡る大騒動だ。その時には当時の監督ルイス・アラゴネスが、テレビ番組に出演するなど火消しに奔走しなければならなかった。

 ただその後、ラウール不在のスペインがEURO2008で優勝し、黄金時代の幕開けを告げたのは周知の通り。ルイス・エンリケも結果で今回の決断を正当化するしかない。

構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部