ひとまず、ファンは胸をなで下ろしただろう。最悪の事態は免れたようだ。

 現地6月12日、コペンハーゲンで開催されていたEURO2020のグループステージ、デンマーク代表vsフィンランド代表の一戦。0−0で迎えた40分過ぎだった。敵陣深くで得たスローインを受けようと歩み寄った瞬間、デンマークの攻撃的MFクリスティアン・エリクセンがピッチに前のめりに昏倒。そのままピクリとも動かず、すぐさまドクターやチームメイトたちが集まる緊急事態となった。

 観客やテレビの視聴者が、事の重大さを気づかされたのは、心臓マッサージの手当てを受けているエリクセンの姿を見せまいと、周囲を仲間たちが取り囲んでいたためだ。振り返らずにすすり泣く者、唇をかみしめる者、抱き合って無事を祈る者。スタジアムは現実に起きていることなのかさえ分からない、といった雰囲気で、誰もが祈りをささげた。
 
 そして10分後、担架に乗せられたエリクセンは選手たちと医療スタッフ、そして白い布でその姿を遮断された状態でピッチを後にした。
 
 その後、現地時間19時30分に欧州サッカー連盟(UEFA)とEURO公式がツイッターを更新。「デンマーク代表のクリスティアン・エリクセン選手に緊急事態が発生したことを受け、両チームおよび試合関係者による危機管理会議が行なわれ、19時45分に連絡される」と試合について説明したのち、「同選手は病院に搬送されている。安定した状態になった」と発表したのである。

 現地報道によれば、ピッチから去る際には意識も取り戻した状態だったという。いずれにせよ、命に別条がなかったという事実がなによりの喜ばしいニュースだ。

 また、中断したデンマーク対フィンランド戦は延期が決定したと報じられたが、両チームの要請のもと、現地時間20時30分に再開することが決まった。前半残りの4分間をプレーしたの地、5分間のハーフタイムを挟み、後半が行なわれる。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部