被害者は、処分を望んでいない。ただ、好ましくない行為だったのは確かだ。

 6月15日に行われたEURO2020グループF第1節、ドイツ対フランスの一戦で、ドイツのアントニオ・リュディガーがフランスのポール・ポグバに嚙みついた疑惑が騒がれた。

 試合中にリュディガーに対する処分はなかったが、英紙『Daily Mail』によると、ポグバは試合後に「彼は少し噛んできた。それを感じたから、主審には言ったよ」と、被害を受けたことを認めている。

 そのうえで、「ただ、イエローやレッドを要求するわけじゃない」とも続けた。

「彼にはカードが出なかったし、僕はあの状況のために処分をしてほしいと望んではいない。試合後に僕たちはハグをした。それで終わりだ」

【動画】リュディガーがポグバに噛みついた決定的瞬間
 ただ、識者からは苦言も寄せられている。元アイルランド代表のロイ・キーンは、『ITV』で「噛むというよりかじったのだと思う。バカげた行為だ」と批判。元フランス代表のパトリック・ヴィエラは「ポグバの反応を見れば、噛まれたのだろう。彼が何をしようとしたのか、本当に分からない」と首を傾げた。

 噛みつき行為といえば、現在アトレティコ・マドリーに所属するウルグアイ代表のルイス・スアレスが思い出される。2014年のブラジル・ワールドカップでイタリア代表のジョルジョ・キエッリーニを噛んだことで、スアレスは長期の停止処分を科された。

 スアレスがそれ以前にもクラブチームで噛み付き行為をしていたのは周知のとおりだ。リバプール時代にはチェルシーのブラニスラフ・イバノビッチ、さらにその前にはアヤックス時代にオトマン・バッカルをかみ、それぞれ処分されている。

 今回のリュディガーの行為が、噛みつきを繰り返したL・スアレスのような“再発”の前兆でないことを願うばかりだ。

構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部