現在U-24日本代表が躍進を続けている東京オリンピック。ここから3年後、2024年にはパリ五輪が開催される。

 若い選手の台頭が著しい日本サッカーにおいて、次にどんな有望な選手が日の丸を背負うことになるのかは誰しもが気になるところだ。ここでは、育成年代に詳しいライターの松尾祐希氏に、パリ五輪の布陣を、主に現U-17〜U-20代表(2001〜2004年生まれ)のメンバーから選んで予想してもらった。

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 2024年に開催されるパリ五輪。開幕まであと3年しかなく、準備期間は長くはない。特に新型コロナウイルス感染拡大の影響で今までとは様相が違っており、国際舞台をほとんど経験できていない。

 今年5月に開催される予定だったU-20ワールドカップと同11月のU-17ワールドカップは中止。それに伴って昨年のアジア予選も戦っていない。海外遠征もほとんどできておらず、この年代で国際大会に出場した経験がある選手は数えるほどだ。

 現状で3年後のメンバーを占うのは非常に難しいが、世界の強豪国と戦っていくうえで現在開催されている東京五輪に出場している久保建英(レアル・マドリー)や鈴木彩艶(浦和)ら、コロナ禍以前に世代別W杯を経験した選手たちが主軸になっていくと予想する。

 そうした観点から布陣を考えていくと、正GKに一番近いのは鈴木だろう。東京五輪のほかにU-20W杯に1度、U-17W杯に2度出場。所属クラブでも元日本代表の西川周作からポジションを奪いつつあり、この年代で最も勢いに乗っている。身体能力が高く、GKスキルと足もとの技術はハイレベル。順調に成長を遂げていけば、3年後の本大会は鈴木がゴールマウスを守っているはずだ。
 
 鈴木のほかにも経験値豊富で将来性の高いGKが揃っており、小久保玲央ブライアンはベンフィカでプレー。昨夏はU-19チームの一員としてUEFAチャンピオンズリーグのユース版であるUEFAユースリーグの決勝にスタメンで出場し、一昨年の年末には東京五輪のメンバー候補に名を連ねた。野澤大志ブランドン(FC東京)らも能力が高く、今後の成長次第では誰が名を連ねても不思議ではないだろう。

 一方で絶対的な軸がいないのが最終ラインだ。J1の舞台でレギュラーを張っている選手はおらず、J2にも見当たらない。2019年のU-17W杯に出場している鈴木海音(磐田)が主軸候補となるが、同世代だけではなく下の世代からの突き上げも必要になってくる。

 そうした意味で期待したいのは高校3年生のチェイス・アンリ(尚志高)だ。187センチの大型DFで、運動能力や空中戦の強さに定評があり、今年6月には飛び級でU-20日本代表候補に選出。高校卒業後にいきなりヨーロッパの舞台に挑戦する可能性も秘めている。

 また、彼だけではなく下の世代にはポテンシャルを感じさせる選手がおり、左利きで187センチの高さを持つ高校2年生の竹内諒太郎(鳥栖U-18)、飛び級でU-20日本代表候補に選ばれた高校3年生の吉田温紀(名古屋U-18)らも期待値が高い。
 
 左SBはU-24日本代表に選ばれ、すでにトップで出場機会を得ている高校3年生の中野伸哉(鳥栖U-18)が最右翼。しかし、バングーナガンデ佳史扶(FC東京)もチームで出番を得ており、今後の成長次第では中野が右サイドに回り、畑大雅(湘南)と成瀬竣平(名古屋)らとポジションを争うかもしれない。

 ボランチはJ1の舞台で出場機会を得ている選手が多くいるポジションだ。松岡大起は鳥栖ですでにレギュラーとして活躍しており、昨季東京Vで主軸を担った藤田譲瑠チマも今季から加入した徳島で徐々に出番を増やしている。田中聡(湘南)も今季のJ1で21試合に出場しており、この3人が主軸候補になるだろう。

 そのほかの候補は山本理仁(東京V)、松木玖生(青森山田高)。また、レアル・マドリーの下部組織で技を磨く中井卓大の今後の成長によっては、序列が変わる可能性も大いにある。

 ボランチ同様に2列目もタレントが揃う。左サイドの荒木遼太郎(鹿島)は、1年目の昨季から多くの試合に出場し、今季はすでに6得点。最もこの世代で結果を残しているアタッカーが順調に成長を遂げれば、3年後の大舞台に立っている可能性は高い。
 
 ただ、流動的なのはトップ下と右サイド。本来であれば東京五輪組の久保と、2年前のU-20ワールドカップに出場している斉藤が主軸になるべきだが、すでに欧州でプレーしており、本大会で招集できるかは分からない。

 しかし、彼らの招集が困難だったとしてもそれを補ってあまりあるタレントがいる。現在は伸び悩んでいるが、西川潤(C大阪)や小田裕太郎(神戸)がきっかけを掴んで飛躍を遂げれば、スタメンに名を連ねてもおかしくない。また、成長を期待したいのは橋本陸斗(東京V)。まだ高校1年生で世代的には2028年のロサンゼルス五輪の世代だが、ポテンシャルは一級品。左利きのドリブラーで、物怖じしないメンタリティは久保に通ずるものがある。

 FWでは高校2年生の福田師王(神村学園高)に注目したい。今秋にU-17W杯が開催されていればエースを担っていたはずの逸材で、ひと世代上のU-18日本代表にも招集されている。複数のJ1クラブがすでに興味を示しており、実力は折り紙付き。ストライカーらしい強気なメンタルとシュートレンジの広さは上のレベルでも十分に通用するはずで、プレーの幅や守備面を改善できればレギュラーを奪う力はある。

 そのほかにもスピードに定評がある若月大和(シオン)、染野唯月(鹿島)などが控えており、FWの人材に事は欠かさない。残された期間で誰が台頭するか。そうした楽しみが最もあるポジションだと言えるだろう。

 現段階で監督も決まっておらず、不透明な部分が多い。しかし、将来性豊かな選手がいるのも事実。彼らがどのような成長を遂げていくのか楽しみだ。

取材・文●松尾祐希(フリーライター)

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