[インターハイ2回戦]立正大淞南1-2徳島市立/8月16日(月)/テクノポート福井総合公園芝生広場

 後半7分に先制しながらも、アディショナルタイムの2失点で逆転負け。「本当に勿体なかった。チームが1点を獲って、一気に良い状態になっていったのに自分が2本止めておけば勝って次に進めた。過去の自分にとても悔いが残ります」。そう立正大淞南のGK長野大河(3年)が振り絞った言葉からは、悔しさがにじみ出る。

「昨日(1回戦)は、初めての全国大会なので皆がバタバタしていた。でも、今日は相手が初戦で分があるので、そこを思い切って突けば勝てるんじゃないかと思った」

 長野の狙い通り、序盤から試合のペースは立正大淞南が握った。前半はゴールこそ奪えなかったが、スピードに長けたMF三原弘稀(3年)らサイドを起点に伝統である縦に鋭い攻撃を繰り返した。守備でもDF岩本剛気(3年)らがしっかりと跳ね返し、徳島市立にバイタルエリアまで持ち込ませない。

 0-0で迎えた後半7分には、右サイドから上がったFW香西銀二郎(2年)のクロスを、「自分は華麗なプレーができないので、身体から行こうと思っていた。良いボールが来たので気持ちで決めてやろうと思っていた」と振り返るFW加藤緒(3年)が合わせて先制に成功。以降も2点目は奪えないものの危ない場面も少なく、勝利へと着実に進んでいた。
 
 しかし、アディショナルタイムに入ってから、徳島市立のFW藤島涼介(3年)に2点を決められ逆転負け。「サッカーは決められた時間内に何点獲ったかを競うスポーツ。全体的に悪くなかったけど、負けたら悪いってことになってしまう。69分が良くても、残り1分が悪ければ意味がない」と南健司監督は口にした。

 失点の場面は、これまで出来ていた守備対応に一瞬の隙が生まれた形で、南監督は「一瞬でシュートを決めてしまうのが全国大会」と口にする。長野が「全国が決まってからずっと言われてきたこと。自分たちが早く気付いていれば、このような結果にはなっていなかったと思う」と続けた通り、後悔を挙げればキリがないが、全国大会出場を果たした意味は大きい。

 ちょうど一年前の今頃は、新型コロナウイルスのクラスターが部内で発生し、サッカーどころではなかった。SNSやネット掲示板を中心に誹謗中傷も多く、心を痛める選手もいるなか、彼らを救ったのは全国各地から届いた食べ物や飲み物の支援。隔離生活を強いられた選手の体調を支えるだけでなく、“応援してくれている人がいる”という事実は立正大淞南サッカー部の勇気となった。
 
「あんなに来ると思っていなかったし、今でもずっと届いている。尽きることなく支援が続いていて、自分たちが3年生になった今でも支援は続いている。今大会は、支援頂いた方たちのために恩返ししようと思っていた」と話すのは加藤だ。

 初戦の中京大中京戦で白星を奪い、元気な姿を支援者たちに届けることができた。だが、長野が「たくさんの方々に支えられて、ここまで来た。まだ自分的には何も恩返しができていない」と口にすれば、加藤も「1回勝っただけでは淞南というチームは満足できない」と続ける。
 
「夏はまだ終わっていない。これで夏が終わったと思う選手に冬はない」

 南監督の言葉通り、冬の選手権に向けたリスタートはすでに始まっている。立正大淞南の選手なら、今大会の敗戦を選手権での躍動に繋げられるはずだ。

取材・文●森田将義

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