胸のすく爽快な勝利だった。

 J1リーグ28節、湘南ベルマーレはアウェーでセレッソ大阪と対戦。4分、MF古林将太のゴールを皮切りに、終わってみれば5-1の大勝。湘南は勝点を「25」とし15位に浮上した。しかもゴールシーンはクロス、セットプレー、カウンターと多種多様だったことも収穫が多かった。
 
 今季の湘南を振り返ると、内容では相手に優るものの、勝点に結びつかないゲームが多い。前線からの激しいプレス。豊富な運動量。速攻遅攻を織り交ぜたやり方を継続するとともに、中断明けから中盤をダブルボランチに変更。守備の安定を担保に攻撃性、得点力を高めている。その一端がC大阪戦に表われたと言える。

 百点満点。望外の勝利のなか、気になったのはFWウェリントンがベンチ外だったこと。湘南・浮嶋敏監督は欠場の理由をコンディションの問題とした。得点源であり攻守の起点ともなるウェリントン不在の大勝をどうとらえるべきか難しいが、依然として不可欠な選手であることには間違いない。

 そのウェリントンだが、ここまでリーグ5得点だが、そのすべてを頭で決めている。その内訳は以下の通りだ。

11節・アウェー清水戦。左サイドDF毛利駿也のクロス。
13節・ホーム大分戦。左サイドFW池田昌生のクロス。
18節・アウェー浦和戦。左サイドMF畑大雅のクロス。
20節・ホーム柏戦。敵陣内浅い位置からのセットプレー。DF石原広教の浮き球のパス。
25節・ホーム清水戦。右サイドMF古林将太のクロス。

「一番、ヘディングしやすいところは分かっているつもり。そこにクロスを上げるだけ」と清水戦後、MF古林は相性の良さを語った。

 それにしてもなぜ頭なのか? ウェリントンによればユース時代、もともと得意だったヘディングをさらに強化すべく、コーチとマンツーマンで居残り練習を欠かさなかったという。その賜物と言える。

 では、どのようにして決めるのか? かいつまんで3つの秘訣を語ってくれた。

・ペナルティエリア内のポジショニングの取り方を意識すること。
・クロスが自分にボールが来る前に相手GKを見ること。
・相手GKが取りづらくなるように位置と方向とタイミングを考えて打つこと。

 この3つを挙げた。

 厳しいマークに遭うなか、頭で決めているのは恵まれた体格とともに技術が必要だ。ポジショニングや駆け引きもさることながら、前述通り、アシストは石原(広)、畑、古林、池田、毛利とどれも違う選手。きっちり合わせるというより、このあたりというラフなボールでも合わせてしまうところが強みだ。
 
 それにもうひとつ。186センチの長身から繰り出されるヘディングゴールはどれも「ズドン!」と音が聞こえてきそうな強烈なものばかり。

 ウェリントン自身、練習中、クロスバーに直撃したシュートが勢いよく跳ね返るのを見て「どうしてあんな力が出るのだろう」と冷静に考えるそうだ。
 
 その威力の源は、太い首にあるのではないか?と考え、本人に聞いてみると、
「たしかに首は強いが、なぜ強いかはわからない」としつつ、父親が190センチ以上の長身だったことから、「その特徴を受け継いだのでは」と話してくれた。

 しかし、確かにヘディングは武器ではあるが、それだけではないのがウェリントン。内容、試合ともに勝つため、そして残留のためには彼の存在は欠かせない。目標の「15」ゴールまではあと「10」。終盤戦に向け、猛チャージに期待が集まる。

 今節はリーグ3連勝中の浦和とのホームゲーム。毎回、ドラマがあるカードだけに二転三転の展開が見られそうだ。

取材・文●佐藤亮太(フリーライター)