シーズン途中の指揮官交代や選手補強で、ピッチに並ぶメンバーの顔触れは少なからず変わってくる。チームに変化をもたらす2つの事象があったSC相模原で唯一、ここまでの全試合に出場している選手がいる。ボランチの川上竜だ。

 31節終了時点で、出場31試合、総プレータイム2718分は、いずれもチームトップの数字。途中出場、途中交代はそれぞれ1回だけ。残りの29試合はすべてフル出場だ。

 文字通りチームの“軸”として、厚い信頼を受ける存在。ここ最近は、今夏の新戦力・成岡輝瑠とダブルボランチを組むことが多く、「攻守両面で良くなっている」と、19歳の俊英とのコンビに確かな手応えを感じている。

 ふたりの連係について訊けば、守備ではどちらも飛び出して奪いに行くのが特長なだけに、動きが被らないようチャレンジ&カバーは意識しているという。一方の攻撃面では、成岡のボールを持ち運ぶ、またはパスをさばく能力がしっかりと発揮できるようなポジショニングを心掛けている。

「真ん中のふたりが安定しないと、チームも安定しないと思うので」

 ボランチの出来が占める割合がいかに大きいか。その責任を強く感じながら攻守の両局面に関わる川上の強みのひとつが、攻撃を加速させるフィードだ。

「ここ数試合、ロングフィードがうまく狙えているし、受け手とタイミング良く合わせることができている。ボールを握りながらも、相手が取りに来た瞬間や、相手のラインが高くなった瞬間に、一発で局面を変えられるボールを出せるようにチャレンジしたい」

 ショートパスでテンポを整えながら、敵と前線の味方の状況を見極め、効果的な送球を見せる。チームの課題は得点力。それを高めるための好機創出に欠かせない武器だ。
 
 調子の波が少ないのも魅力。常に高いレベルのプレーが計算できる男は、ハイプレスで守備の“スイッチ”を入れたかと思えば、後方でビルドアップを支え、カウンターの起点にもなる。

 次節はホーム水戸戦。相手の印象については「攻撃が特長的なチーム」と語る。

「そういうチームに守備の時間を長くさせれば、相手のリズムも出にくいと思う。全部が全部、受け身にならずに、守備では前から行って、攻撃では自分たちでボールを握る時間帯を増やすことが大事」

 それこそ、まさに川上に託された仕事であり、見せ場となる。

取材・文●広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

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