サッカーメディアの間で連日のように行われている「ベストイレブン企画」。今回は、移籍情報サイト『transfermarkt』がちょっと変わったベストイレブンを発表していたので紹介したい。


『transfermarkt』が英語版の公式ツイッターアカウントで発表したのは、コンゴ民主共和国代表でプレーする可能性があった(ある)選手で構成されたベストイレブンだ。現在のサッカー界では複数の国籍を持つ選手が少なくない。そのため、出身国とは異なる代表チームでプレーする選手もいれば、親族の祖国でプレーするというケースもある。また国際サッカー連盟(FIFA)は、親善試合の出場のみであれば、代表チームの変更を認めており、2つのA代表チームでプレーした経験を持つ選手も存在する。


 そこで『transfermarkt』は、コンゴ民主共和国代表としてプレーする資格を持っていた、また、今もその可能性が残っている現役選手をリストアップし、ベストイレブンとして発表している。システムは4−3−3。いわば“幻のコンゴ民主共和国代表”であり、そのメンバーは豪華だ。


 なお今回は、『transfermarkt』が算出する市場価値の高いメンバーから順に選出されており、以下に紹介する11名以外にも、元ベルギー代表DFのヴァンサン・コンパニや同国代表FWミシー・バチュアイ、レアル・マドリードが獲得を狙っていると噂されるU−21フランス代表MFエドゥアルド・カマヴィンガなどがコンゴ民主共和国系の選手である。


※カッコ内は(現所属クラブ/選択した代表チームの国籍)

写真=Getty Images

 

▼GK

スティーヴ・マンダンダ(マルセイユ/フランス)



 フランスの名門マルセイユでキャプテンを務め、2018年のロシアW杯ではフランス代表として世界一に輝いたマンダンダだが、生まれ故郷はコンゴ民主共和国の首都キンシャサ。フランス代表を選んだため、家族内では「フレンチ」というニックネームで呼ばれているようだ。ちなみに弟のパルフェとリフィはコンゴ民主共和国代表を選択している。

 


▼DF

アーロン・ワン・ビッサカ(マンチェスター・U/イングランド)



 ワン・ビッサカはイギリスのロンドン生まれだが、父親がコンゴ民主共和国出身であることから、2015年に同国のU−20代表で1試合に出場した経験を持つ。しかし、その後はイングランド代表を選択し、2019年8月にはEURO2020の欧州予選に臨むA代表に初めて招集された(※その後、負傷したためデビューはお預けに)。

 


プレスネル・キンペンベ(パリ・サンジェルマン/フランス)



 パリ・サンジェルマンで活躍するキンペンベもU−20のコンゴ民主共和国代表歴を持つ。ワン・ビッサカと同じく彼自身はフランスで生まれたが、父親がコンゴ民主共和国出身(母親はハイチ出身)であるため、同国の代表選手として一時期プレーしていた。

 


ブノワ・バディアシーレ(モナコ/フランス)



 今回選出された11人の中で最年少となる19歳のセンターバック。兄ロイクは、DF植田直通が所属するセルクル・ブルージュでGKを務める。兄弟そろってフランスのユース代表選手として活躍するが、コンゴ民主共和国にルーツを持つため、代表の変更もあり得る。

 


ノルディ・ムキエレ(ライプツィヒ/フランス)



 ライプツィヒで守備のマルチロールとして活躍するムキエレもフランスに生まれ、ユース年代から同国代表選手として活躍する。ただA代表デビューを果たしておらず、今後は両親の祖国であるコンゴ民主共和国の代表選手としてプレーするかもしれない。

 


▼MF

デニス・ザカリア(ボルシアMG/スイス)



 191㎝の長身と圧倒的な身体能力で、「スイスのパトリック・ヴィエラ」とも、「ネクスト・ポグバ」とも称されるザカリア。生まれも育ちもスイスだが、父親はコンゴ民主共和国の、母親は南スーダンの出身である。“幻のコンゴ民主共和国代表”では、アンカーポジションに配置されている。

 


ユーリ・ティーレマンス(レスター/ベルギー)



 同胞の大先輩コンパニと同じく、ベルギー生まれ、ベルギー育ち。U−15から同国の代表選手に名を連ねるなど、エリート街道を歩むが、母親がコンゴ民主共和国にルーツを持つという。

 


タンギ・エンドンベレ(トッテナム/フランス)



 今季からトッテナムに加入したエンドンベレは、両親がコンゴ民主共和国出身。彼らは生活の安定と子どもの未来を考えてフランスに移住し、その後エンドンベレが誕生した。今後はフランス代表をけん引する活躍が期待されており、両親も息子を誇りに思っていることだろう。

 


▼FW

ロメル・ルカク(インテル/ベルギー)



 ルカクはベルギーのアントワープ生まれだが、父ロジャーさんがコンゴ民主共和国出身で、母国ではプロサッカー選手として活躍していた。父と同じ道を歩むルカクは、フラマン語、フランス語、英語、ポルトガル語、スペイン語、スワヒリ語など複数の言語を操ることでも知られ、このチームであればキャプテンの最有力候補だろう。

 


ジョナタン・イコネ(リール/フランス)



 キリアン・エンバペと生まれ年(1998年)も、生まれ故郷(バンディ)も同じであるイコネ。10代の頃からフランスの各年代別代表の常連メンバーで、2019年にはA代表デビューも飾った。ただ彼もコンゴ民主共和国にルーツを持ち、過去には同国の代表監督がイコネの家族を訪ねたこともあったという。

 


クリストファー・エンクンク(ライプツィヒ/フランス)



 今季パリ・サンジェルマンからライプツィヒに移籍し、ブンデスリーガで3番目のアシスト数(12)を記録するエンクンク。22歳の俊英も同僚のムキエレと同じように、コンゴ民主共和国にルーツを持つ。近い将来、フランスA代表デビューが期待される逸材だが、コンゴ民主共和国でプレーすることも可能だ。


(記事/Footmedia)