この原稿を執筆している時点で、2020年シーズンの中国スーパーリーグは第6節を消化した。


 大連で集中開催されているグループAでは、大方の予想通り、広州恒大が首位に立っている。8度のリーグ優勝を誇る名門クラブは常々、目標はリーグを制することではなく、中国代表チームの基盤を築くことだと公言してきた。今シーズンはそれを裏づけるように、帰化選手のエウケソンやフェルナンジーニョ、ヤン・リユ、ウェイ・シーハオら、今後の代表を牽引していくべき選手たちが攻撃陣を担っている。


 この中で特に目立つのが、ウェイだ。ここまで5試合で6得点を記録するなど、持ち前のスピードに加え、決定力が格段に増している。中国メディアの一部は、この25歳のウイングをウー・レイ(エスパニョール)と比較し始めており、次にヨーロッパへ渡る中国人選手の筆頭と見られている。


 しかし、その後ろでパウリーニョやタリスカ、40歳のベテランMFジャン・ジーがサポートする豪華なメンバーは健在ながら、近年の広州には以前のような無敵の強さは感じられず、第4節で早くも山東魯能に土をつけられている。


 蘇州で行われているグループBでも、多くのファンの期待を裏切ることなく、一昨季の王者である上海上港がトップを走っている。青島黄海、石家荘永昌という2つの昇格クラブに引き分けたときは、リーグ全体に驚きを与えるとともに先行きが懸念されたものの、第6節に北京国安との大一番を2−1で制して首位に。チームはこれまでと同様に、主に外国籍選手で編成される攻撃陣が、中国人で組まれる守備陣のミスを補っている形だ。


 ただし、そのアタッカーたちの顔ぶれには、やや変化がある。かつてオスカルやフッキらを迎えたときのような興奮や驚きはなかったものの、今年2月に韓国の全北現代から獲得したブラジル人のリカルド・ロペスは当たりだった。開幕戦から先発に抜擢されると、2試合連続2得点。開幕戦はフッキ、その後はマルコ・アルナウトヴィッチとコンビを組んだが、ヨーロッパへの帰還を望んでいると報じられるフッキが去ったとしても、チームはさほど大きな打撃を受けないだろう。


◆リーグ全体にとって不安なニュースも……

 彼らを追う北京はここまでに10選手がネットを揺らしており、どこからでもゴールを奪える強みを持つ。だが、ブルーノ・ジェネジオ監督のトレーニングや試合中の采配が分かりにくいと批判されることもあり、上海上港との直接対決に敗れたことで、逆風はさらに強まっている。


 昇格後、最初の試練となった上海上港戦を1−1で引き分けた石家荘は、昨年1月に加入し、スーパーリーグ昇格の原動力となったムリキの存在が非常に心強い。かつてFC東京にも所属した34歳のブラジル人アタッカーは、降格候補の一つと見られているチームをトップ下の位置から牽引し、決定的な仕事で勝ち点の獲得に貢献している。天津泰達戦では、終了間際に自ら駄目押しゴールを奪う活躍で3−0の勝利を手繰り寄せ、クラブ史上初となるスーパーリーグでの白星を手にした。


 一方、リーグ全体にとって不安なニュースもある。今シーズンのスーパーリーグは、負傷交代の割合が過去最高になってしまっているという。考えられる理由としては、耐え難いほどの暑さ(特に蘇州)と過密日程、劣悪なピッチコンディションか。上海申花の韓国代表FWキム・シンウク、北京の元中国代表MFピアオ・チェンは重傷を負い、シーズン中の復帰が絶望的となった。どちらもそれぞれのチームの主力選手で、本人はもちろん、チームが被った痛手も大きい。


文=超明

翻訳=井川洋一